~空き家を生まない・増やさないために~
■早期対応・官民連携で取り組む空き家対策
◇顕在化する空き家問題
5年ごとに行われる総務省の「住宅・土地統計調査」により、山梨県の空き家率の高さが初めて話題に上がったのが、2003(平成15)年のこと。以来、4期連続で全国ワースト1位を記録し、「空き家率日本一」とまで呼ばれた山梨県。
南アルプス市も少子高齢化や人口減少等を背景に空き家の数は年々増加しているとみられ、市の担当課や専門家による相談窓口には日々、さまざまな問い合わせ・相談が寄せられています。
これまで、「空き家なんて自分には関係ない」と思っていた皆さんも、問題を身近に感じるようになってきているのではないでしょうか。
◇空き家は放置せず「仕舞う」
〜除却のテクニック〜
昨年、空き家に関する法律が改正され、空き家を取り巻く環境に大きな変化が生まれました。その中で最も注目すべきは、これまで固定資産税等が減免されていた空き家が対象外となり、結果的に支払う税金が上がってしまうかもしれないパターンが出てきた、という事です。
※詳細は本紙P.6をご覧ください。
過去、所有している空き家の解体について相談に来ても「税金が上がるから空き家を潰したくない」「更地にすると税金が上がるんでしょう?」と解体に中々踏み切れない方々が沢山いらっしゃいました。今後、この法律の改正がそういった皆さんの背中を押してくれることを願います。
また、よくよく計算してみるとそもそも空き家を解体した方が、税金が安くなる事が分かった、というパターンもあります。空き家の解体に関する補助金制度もありますので、お悩みの際は是非、市役所まで一度ご相談ください。
◇空き家は放置せず「活かす」
〜活用のテクニック〜
空き家対策の一環として、県では「空き家率日本一の山梨県で空き家活用ビジネス!」のスローガンのもと、民間事業者による空き家活用および空き家のマッチング事業を推進しています。この制度の活用により、市内でも空き家だった建物達が、宿泊施設や飲食店・シェアスペース等に生まれ変わり、空き家問題の解決だけでなく、地域経済および観光振興等にも寄与するようになりました。
また、今年度からは「やまなし空き古民家・レトロ建築バンク」と題し、売却・賃貸を希望する空き古民家の情報収集および公開も行っています。市内に眠る文化資源の掘り起こしおよび活用にも期待がかかるところです。
◇その空き家を必要とする人達がいます
「古い家だから買ってくれる(借りてくれる)人なんかいないよ」空き家の相談に見えられた所有者の方から度々発せられる言葉の一つです。
その一方、市役所には移住希望の方から「安くて自由にリフォームできる空き家はありませんか」というお問い合わせが日々寄せられています。また、実際に市内の空き家を購入し、移住された方々も沢山いらっしゃいます。
ピンチはチャンス、マイナスをプラスに。空き家が多いということは、それだけ移住者を受け入れられる余地があるということです。
市では空き家の売買・賃貸を仲介する空き家バンク制度を設けています。空き家の修繕・リフォームに対する補助金(最大100万円)のほか、今年度からは空き家の片付けに使用できる補助金制度も創設しました。また、司法書士と宅地建物取引士による無料相談会も開催しています。悩んだ時は、また悩む前にぜひ、市役所までご相談ください。
問合せ:管理住宅課
【電話】282-6397
■古代の移住先進地!?
~遺跡から分かる山梨県・南アルプス市域の多様性~
約1年にわたって実施された市産業拠点整備事業(ヒカレヤマナシ・コストコ)建設に伴う遺跡の発掘調査。これにより収集されたデータや出土遺物は、まだまだ整理・分析の途中ですが、既に周辺の遺跡では静岡県や愛知県地域の影響をうけた土器や、長野県地域の影響をうけた土器などが発見されており、このエリアでは古代から他地域との交流、移住、定住の流れがあった事が分かっています。
今も昔も文化の交差点となっている南アルプス市。これからも市域のさらなる発展に目が離せません。
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