大腸がんは、男性に多い傾向がみられますが、男女とも40歳代から罹患する可能性が上がります。2003年以降は女性のがん死亡原因の第1位は大腸がん、男性でも第3位と上位に位置しています。
大腸がんは、早期では自覚症状がほとんどありません。進行すると血便(便に血液が混ざる)や腹痛、腹部膨満感、便通異常などの症状が現れますが、このような症状が現れて初めて検査を受ける人も少なくありません。そのため、大腸がんの発症者が増え始める40歳以上の男女を対象に、自覚症状がなくとも1年に1度の大腸がん検診を受けることが推奨されています。
大腸がんは生活習慣が発生に深く関わると考えられているがんの1つです。特に、運動習慣の減少、偏った食生活、アルコールの多飲、喫煙は大腸がんの発症リスクを高めるといわれています。また、肥満なども大腸がんの発生と関連することが指摘されています。栄養バランスに気を付け、運動をし、タバコも吸わず飲酒も行わない方はがんのリスクが減少します。しかし、リスクはゼロではありません。
そのため、生活習慣の改善+「がん検診」の2段構えが大切です。
■早期発見・治療が完治へのカギ
大腸がんは早期で発見できれば、5年生存率はほぼ100%とされています。早期の段階で発見された場合は、外科的な手術を行わずに内視鏡での根治が可能です。発見が早ければ早いほど、体への負担も少なく、完治の確率は高くなります!
■大腸がん検診を受けましょう
がん検診は、症状がない健康なみなさんが対象です。健康な人(症状がない人)では、もしもがんがあっても、症状が出る前のがん、つまり早期がんであることがほとんどなのです。早期がんのうちに治療を行うことで、がんによる死亡を防ぐだけでなく、完治を目指せます。
しかし、がんが1回の検診で発見される可能性は100%ではありません。そのため、検診は毎年受診することが大切です。1年に1回は、大腸がんの検診を受けましょう。
また、がんがなくても検診の結果が「要精密検査」となることがあります。精密検査を受けて問題がなく、翌年再度「要精密検査」になった場合「どうせまた何もないだろう」と精密検査を受けない選択は正しくありません。必ず精密検査を受けましょう。
■大腸がん検診の検査方法
・便潜血検査(2日に分けて便を採取していただきます)
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