約400年前の窯や陶片が久々利で発見され、国宝の志野茶碗「銘(めい)卯花墻(うのはながき)」が焼かれた可児。
ここでは、「美濃桃山陶の聖地可児」の魅力と今年10~11月に開催される国際陶磁器フェスティバル美濃’24を紹介していきます。
■美濃桃山陶の萌芽(ほうが)
可児では古墳時代から須恵器という陶器が焼かれていました。その後、草木の灰から作られた釉薬※をかけた灰釉陶器、庶民用で無釉の山茶碗などが断続的に焼かれ、西暦1300年頃までは窯が築かれ、陶器が生産されていました。その後、250年ほどの空白の期間を空けて、突如久々利に大窯と呼ばれる窯が築かれ、鉄釉や灰釉をかけた陶器が焼かれるようになります。そこから少し時を経て、桃山陶が焼かれ始めます。多彩な形、さまざまな色調や絵など表現豊かな施釉陶器・桃山陶は茶の湯の場を華やかにし、生活を彩り、多くの人の心を引きつけました。
※うわぐすりのこと。
■国際陶磁器フェスティバル美濃’24
INTERNATIONAL CERAMICS FESTIVAL MINO’24, JAPAN
開催期間:10月18日(金)~11月17日(日)
▽第13回国際陶磁器展美濃とは?
国際陶磁器フェスティバル美濃のメイン催事である国際陶磁器展美濃は、毎回、世界中から多数の応募がある国際的な陶磁器のコンペティションです。イタリアのファエンツァ国際陶芸展、韓国の京畿世界陶磁ビエンナーレ、台湾の台湾国際陶磁ビエンナーレとともに、世界4大陶磁器コンペティションと称されています。今回は、いずれも過去最多となる77の国と地域から3,890作品もの応募がありました。厳正なる審査により選び抜かれた約200点の入賞・入選作品を展示します。
国際陶磁器展美濃の大きな特徴は、「陶芸部門」に加えて「陶磁器デザイン部門」を設けていることです。実用機能を有する作品が対象のこの部門は、私たちの地域が日本を代表する陶産地であることに由来しており、他の陶磁器コンペティションには例を見ない画期的な取り組みとなっています。生活に密着した、「陶磁器デザイン部門」の優れた作品は「陶芸部門」のアート作品とはまた違った趣を感じることができます。陶産地ならではのコンペティションである国際陶磁器展美濃にご期待ください。
問合せ:国際陶磁器フェスティバル美濃実行委員会事務局
【電話】0572-25-4111
問合せ:歴史資産課
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