■これから先5年間の羽島郡の教育
羽島郡二町教育委員会 教育長 野原弘康
先日100円ショップに行き、実に様々な商品が並んでいることに感心しました。より豊かな生活を営もうと願う人々の思いや考えが形になり、10年前には見られなかった製品が豊富にありました。新たな答えが生まれ、目に見える形で私たちの生活を変えていることからも、改めて多様性の時代の到来と変化の激しさを感じます。
先行き不透明と言われるVUCAの時代に生きる児童生徒に対し、どのような教育を進めるとよいか、今後5年間の教育について、目標や方針、施策等を位置付けた教育大綱・第4次教育振興基本計画を策定しました。これは、教育における羅針盤のような役割があり、本紙ではその考え方をお示しします。
詳しくは、羽島郡二町教育委員会のホームページをご覧ください。
これからの時代に向け、「持続可能な社会の創り手」と「ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的な幸せと訳されます)の向上」という2つの観点から、「郷土への愛着をもち、そこに住まう人々の幸福を願い、個の持ち味を発揮するとともに、他者との協働を通して、地域の豊かな未来を創造する人」を育てたいと考えています。
そのために、今の児童生徒には「命の大切さを深く理解し、状況に応じて的確に判断し行動できるなど、健康安全の保持増進を図る力(体)」「自分と他者を思いやり、つながりを大切にしてともに歩むなど、非認知能力を含む豊かな人間性(徳)」「未来への夢や願い、目標をもち、自ら考え実践するなど、学び方を含めた学ぶ力(知)」なる資質・能力を身に付けてほしいと願います。
これらの体・徳・知に対し、新しい時代につながる教育を進めるとともに、学びのセーフティネット(学習機会の確保や施設環境整備等)の構築を図ってまいります。
児童生徒への指導・援助では、「当事者意識につながる主体性を大切にし、取組の過程を重視した教育活動を進めること」と、「学校・家庭・地域・行政全てが学びの場(学びにつながる場)であるととらえ、目標を共有し連携を図る中で各々の強みを生かすこと」の2つを基本的な方針として取り組んでいきます。
学校では、児童生徒一人一人の存在が認められる温かな風土があり、個や集団の意思決定が重んじられ、様々なことに積極的かつ繰り返し挑戦できる場にしていきます。また、教職員は、各々の高い専門性とチームとしての組織を生かし、児童生徒と向き合うことを通して、一人一人の理解を深め、信頼と愛情に基づく主体性の育成を重視した指導・援助に努めます。
家庭では、家族との素直な対話を通して、児童生徒が安らぎを感じ、身の回りで起きている事象について、自身と関わらせて生き方を考える場となり、保護者は児童生徒からも学ぶ親子の関係でありたいと願います。
地域では、身近な人々や地元にある文化・資源などを生かし、多様な体験・挑戦を通して、人・もの・ことから社会につながる基礎的・専門的な事柄を学び続けられる場となることを願います。
行政では、児童生徒ならびに地域の皆様の学ぶ権利を保障するとともに、人的・物的両側面の学習環境を整備するなど支える場となるよう努めます。
未来の地域を作るのは今の子どもたちです。横と縦の繋がりを大切にしながら、全ての大人がそれぞれの立場で子どもたちを見守り、関わり、育てていただくことを願っています。
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