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物知り先生のふるさと情報

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岐阜県恵那市

■恵那の中山道 大井宿から西行塚まで
西部良治(りょうじ)さん

横町川橋を渡って大井宿に入ると道は左に直角に曲がります。このように道が直角に曲がるところを枡形(ますがた)といい、特に城下町や近世の城の中に見られます。大井宿はこの枡形が6カ所もある珍しい宿場です。大井宿本陣にも枡形があって、直角に右に曲がります。大井宿本陣の門は、安土桃山様式を残していることから県の史跡に指定されています。本陣から西に行くと、役人の家だったひし屋資料館があり、さらに行くと、明治天皇が明治13年に宿泊した明治天皇行在所(あんざいしょ)があります。そこから少し進んだところに小路川(しょうじがわ)という小さな川がありました。天明7年(1787年)、茶屋町から出火して大火事になりましたが、この小路川で火が止まり、宿場全体の焼失を免れることができたといわれています。小路川からさらに歩き、旧角屋旅館があったところの4カ所の枡形を曲がると大井橋に着きます。この橋を渡り1キロほど進むと、皇女和宮の通行の際に起こった、熊崎新三郎(しんさぶろう)事件のあった酒屋があります。熊崎新三郎は三郷町野井の百姓で、和宮の通行準備に不正があったとして、酒屋に宿泊していた岩村藩の役人に切りかかったと伝えられている人物です。
この酒屋から約700メートル歩くと、西行硯水(さいぎょうすずりみず)があり、さらにJR中央本線を越えて西行坂を登ると、右に西行塚の五輪塔が立っています。西行硯水と西行塚は平安時代末の歌人西行の伝説に関わるものです。その伝説は「木曽路名所図会(きそじめいしょずえ)」にも描かれています。

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