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星から宇宙へ

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岡山県井原市

■ハレー彗星
毎年たくさんの新彗星が発見され、肉眼で見えるものも数年置きに話題になります。しかし、知名度で他を圧倒するのがハレー彗星でしょう。ハレー彗星は、彗星の代表たる逸話がいくつもある彗星界のスーパースターなのです。
76年周期で現れるというのも絶妙で、多くの人が一生に1回、運が良くて幼少期と晩年の2回しか見ることができません。前回、1986年の接近から遠ざかり続けていたハレー彗星が、今年の12月に遠日点、つまり、折り返し地点を通過し、再び我々の方へ向かい始めます。
前々回の回帰は1910年で、科学的な観測によって多くの発見がありました。一方、青酸ガスを含む彗星の尾に地球が突入することが誇張して伝わり、ガスマスクや空気ボンベ代わりのタイヤチューブが売れるという珍事件も起きました。
その次にハレー彗星が帰ってきたときには、迎える態勢も大きく変わっていました。日本・欧米・ソ連が打ち上げた7機の彗星探査機がハレー彗星に向かい「ハレー艦隊」とも称されました。天体望遠鏡が飛ぶように売れ、その時の天文ブームは美星天文台建設への後押しにもなりました。
あと半分、38年後が待ちきれない人は、来年のゴールデンウィークの未明にしばらく夜空を見上げてみましょう。運が良ければみずがめ座流星群の流れ星を見ることができます。実はその流星、大昔にハレー彗星がまき散らしていったチリが地球大気に飛び込んできたもの。つまり、ハレー彗星の小さな分身なのです。

案内役:美星天文台技師 中内弘
美星天文台のホームページ【HP】https://www.bao.city.ibara.okayama.jp/【メール】info@bao.city.ibara.okayama.jp

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