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星から宇宙へ

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岡山県井原市

■宇宙のものさし、セファイド変光星
この連載の前回(3月号)に美しい写真が掲載された銀河。これが数百万光年以上の遠方にある星の大集団と判明したのはここ100年以内のことです。夜空の星ぼしの中には、膨張・収縮を周期的に繰り返すことに伴って明るさが周期的に変わる星があります。なかでもセファイド変光星と呼ばれる種類の星は、本来の明るさ(ある決まった距離に置いた時の明るさ)が明るいほど明暗の変化の周期が長いという特徴があります。これを1912年に発見したのはアメリカの女性天文学者リービット(1868-1921)でした。この特徴を利用すると、明暗の周期からその変光星の本来の明るさが分かります。星は遠いほど暗く見えますから、見かけの明るさとの比較からその星の距離が推定できます。
19世紀初めごろ、銀河が遠いか近いかは論争の的でした。1924年、アメリカの天文学者ハッブルがアンドロメダ銀河に含まれるセファイド変光星の観測から、リービットが発見した周期と明るさの関係を利用して、これが遠い天体であることを示し、人々の宇宙の広さに対する認識をがらっと変えました。
リービットは、日本だったらドラマのヒロインのモデルになったことでしょう。
案内役:美星天文台長 綾仁一哉

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