~町内にある文化財を探訪してみよう~
【清水寺梵鐘(せいすいじぼんしょう)】
県指定重要文化財(工芸品)
■解説
この梵鐘は、高さ78.8cm、口径60.6cmで、鎌倉時代末期に鋳造(ちゅうぞう)された青銅製(せいどうせい)のものです。竜頭(りゅうず)は簡略化(かんりゃくか)され、ほっそりとした双竜式(そうりゅうしき)で中央に宝珠(ほうじゅ)をいだき、笠形(かさがた)はふくらみを持っています。梵鐘には「備中国竹御庄清水寺」として正和5年(1316年)に奉献され、大工丹治是友(たんじこれとも)が鋳造したことを記しています。
■吉備中央町文化財保護委員からのワンポイントアドバイス
〔大木 直太郎(おおぎ なおたろう)委員〕
清水寺は、平清盛(たいらのきよもり)創建の伝承(でんしょう)のある天台宗の古刹(こさつ)です。梵鐘は駐車場から仁王門を上がると左手にあります。鎌倉時代後期に寄進されたもので、寺伝によると、戦国時代、御津虎倉城(みつこくらじょう)の伊賀久隆(いがひさたか)に持ち去られたが、やがて遺棄(いき)され、それを地元の人たちにより再び清水寺に返されたといわれています。また、第2次世界大戦中には、地元の人たちにより鐘の「供出」を免れたといいます(住職談)。全体にやや小振りですが、形姿は美しく鋳上がりも優れています。
お問い合わせ先:教育委員会事務局 生涯学習班
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