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歴史遊歩(れきしゆうほ)

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岡山県岡山市 クリエイティブ・コモンズ

■前方後円墳のある小学校と植物園~神宮寺山古墳・一本松古墳~
◆神宮寺山古墳
法界院駅から南へ徒歩15分、御野小学校に接したところに、こんもりとした丘と茂みがあります。神宮寺山古墳です。全長150mの前方後円墳で、古墳時代前期(4世紀)に築かれました。小学校の隣に、巨大な古墳がそびえているわけです。岡山の大きな古墳のほとんどが自然の山や丘を利用して築かれていますが、この古墳は土を盛り上げて造られました。おそらく、旭川から見える位置を意識していたのでしょう。新幹線が旭川を渡る時に、とてもよく見えます。また、後円部には天計(あまはかり)神社の社殿が建っており、竪穴式石室の天井石を見学することができます。かつて、石室の内部からは数多くの鉄器が出土しました。
市には大きな古墳がたくさんあるため気付きにくいのですが、同時代の中四国では一番大きな古墳です。岡山の代表、あるいは中四国の代表となるような人が葬られていると考えられます。

◆一本松古墳
法界院駅から北へ徒歩15分のところに半田山植物園があり、園内の一番高い場所に一本松古墳が築かれています。視界を遮るものがなく、岡山市街地から児島までを一望でき、古墳時代の王者になった気分を味わうことができます。
5世紀後半、造山古墳から50年ほど後に築かれました。2つの小さな方墳を従えた全長65mの前方後円墳で、やや小さい気もしますが、造山古墳以降、岡山の古墳は縮小します。同じ時代の岡山の古墳では大きな部類に含まれるのです。元々後円部にあった石室は戦時中に壊れてしまいましたが、よく観察すると今でも板石を積み上げた石室の一部が残っています。また、石室からは鍛冶道具が出土しており、鉄づくりをしていた人々を率いていたと考えられています。岡山の場合、王者と鉄は切っても切れない関係だったことを示しています。

今回紹介した古墳は、前方後円墳の形をとても良く残しています。登りやすい立地ですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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