現代では、あらゆる場面でパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどのICT端末が活用されています。子どもたちも例外ではなく、その使い方はもちろん、よりよい活用の仕方を学んでいくことが求められています。市では、令和2年度末に市内全ての小・中学校で1人1台のタブレット端末を配備。さらに今春からは、ICT端末をより効果的に活用するためのソフトを導入するなど、日々さまざまな工夫をしています。
岡山市立浦安小学校での活用例を通じて、進化し続けるICT教育の今を伝えます。
■[かわる1]考えの共有がスムーズになる
「沖縄の家や気候」がテーマの社会科の授業。子どもたちはそれぞれのタブレット端末に表示された画像やグラフを見ながら、グループごとに気づきや考えをまとめます。
発表が苦手な子どもも、タブレット端末を通じて自分の意見を伝えやすくなり、主体的・能動的な学習ができるようになります。
子どもたちが気になった箇所につけたコメントやスタンプをタブレット端末が瞬時に集計。分析や考察の活動にしっかり時間をかけることができます。
◆「その意見、面白い!」探究心が育っています。
友達の意見に触れて、より発展的な考えを発信してくれる子どもが増えています。
竹村輝将先生
◆意見を出し合うのが楽しくなりました。
みんなが意見を出し合い、画面ですぐに確認できるので、いろんな人の見方や考え方を知ることができて面白いです。
5年生 久米田愛瑠さん
■[かわる2]自分の動きを確認できるようになる
忍者の動きを表現する体育の授業で、撮影した自分たちの動画を見ながら「この動きがよかった」「こうすればもっと良くなりそう」と、意見を出し合う子どもたち。活動の振り返りや共有が容易になり、より発展的な学びや挑戦が生まれます。
◆みんなの動画からヒントをもらえる!
見逃していた同級生の上手な動作や、直接見られない自分の姿が確認できて、イメージを持ちやすくなりました。
4年生 岸本愛花さん
■[かわる3]投票・コメント機能でお互いの意見を交わしやすくなる
忍者の動きをお互いに動画で撮影。その後みんなで動画を見て「これは」と思う動画に投票したりコメントを残したりします。友達からのうれしいコメントや、自分では気付きにくい視点からのコメントも。やる気と成長につながります。
◆成果の“見える化”が、達成感や自己肯定感に結実。
体育は、やった瞬間に“消えていく”無形の教科。動画や投票・コメント機能で成果や評価が残せるようになり、達成感や自己肯定感を育む一助になっていると感じますね。
辻田和代先生
●私たちが学校でのICT活用をサポートしています!
ICT支援員は、先生と子どもがICTを最大限活用できるよう、タブレット端末の操作補助や授業の提案などを行う専門のスタッフです。ICTを授業に取り入れたことで、自ら考え、子ども同士で学び合う機会が増えていると感じています。今後も先生を支え、子どもたちの成長と学習を応援する役割を果たしていきます。
ICT支援員 糸島里佳さん
■[かわる4]デジタルAIドリルで自分の得意と苦手が分かるようになる
取り組む教科や内容を選択し、問題を解くとAIが自動で採点、解説。教員の端末では子どもたちの進捗状況が一覧表示され、対面での細やかな学習支援にもつながります。
解答後に付与されるポイントを積み上げながら、ゲーム感覚で楽しく学習。また、個々の習熟度に応じた自動出題機能が、苦手の克服や応用問題への挑戦も後押ししてくれます。
◆朝学の時間や授業中などさまざまな場面で活用しています。
授業中に学びの定着を図ったり、朝の自主学習に活用したり。筆記が苦手な子も楽しく取り組んでいます。
平松凌先生
◆画面操作が簡単なので勉強が楽しくなりました。
タッチパネルやキーボードなら紙より早く答えられるので、勉強が好きになりました。
2年生 大森咲紀さん
■[かわる5]今の自分の気持ちを先生に伝えやすくなる
1人1台配備された端末を学校生活や心身の悩みの早期発見・早期対応に活用しようと、「心の健康観察」が試験的に導入されています。2学期からの全校実施に向けて、一部のクラスで登校後のオンラインアンケートを実施。小さなSOSも気軽に発信できるICT技術を生かし、迅速かつ柔軟な支援につなげています。
◆試験導入した先生の声
端末を活用する最大のメリットは、対面では相談しにくいことも比較的すんなりと打ち明けられること。実際に取り入れてみて、友人関係の悩みなどの相談は増えました。数は多くても大きなトラブルになる前に問題を把握できるので、その後の直接指導・対応も円滑に進むことが多いと感じます。
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