■大腸カメラのすすめ
内科 三浦(みうら)柾(まさき) 医師
現在、日本人の死亡原因の1位はがんです。その中でも大腸がんで亡くなる方が多くを占めており、2021年の統計では男性で2位、女性で1位でした。
大腸がんは早期に治療を行えば完治が期待できるがんであるため、大腸カメラ検査で早期発見することがとても重要です。
大腸にできる「いぼ」のような隆起した病変を大腸ポリープといい、大きさや種類は様々ですが、一般的に腫瘍性の腺腫という良性ポリープが数年を掛けて徐々に大きくなり、大腸がんに移行していきます。これが大腸がん発生の約90%を占めるとされ、大腸ポリープを早期に切除することも重要とされています。
従来の内視鏡治療では高周波装置で電流を流しながらポリープを切除していました。この方法では、稀ではありますが、ポリープを切除した傷口から後々になって出血をしたり、腸の壁に穴が空いたりする合併症が懸念されています。
なお、現在ポリープの治療法として、合併症頻度の少ない「コールドスネアポリペクトミー」という、専用の細い輪状ワイヤーでポリープの根元を占めながら切除する治療が主に行われています。約1cm未満のポリープでは、このコールドスネアポリペクトミーでより安全にポリープ切除ができ、当院でも入院せず日帰りで行うことが可能です。
大腸がん検診での便潜血検査で陽性となった方や、50歳以上で一度も大腸カメラを受けたことのない方は、これを機に、ぜひ大腸カメラを受けられることをおすすめします。
問合せ:成羽病院
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