佐藤善仁市長は、市議会第109回2月通常会議で令和6年度の施政方針を示しました。概要を掲載します。
■はじめに
昨年は、3年続いたコロナ禍からの出口が見え始めた中で、多くの行事やイベントが復活した一年でした。一方で、物価高の影響は生活や生産のあらゆる分野に及び、また海外に目を転じれば、ウクライナやパレスチナでの戦火が続いています。
能登半島地震や航空機事故など大変な状況の中で新しい年が始まり、年が変わればいいことがあるはずだという期待感や高揚感の下にあるものは、やはり不安定で不確実な社会の現実であることに気づかされた新年のスタートでありました。
年度が変わっても、人口減少への対処が最大で最優先の課題であることに変わりはありません。人口が減っていく中で地域の活力を高めていく。極めて難しい仕事ではありますが、そのための処方箋を申し述べたいと思います。
■地域の活力を高めるまちづくり
◆まち・ひと・しごとの創生
まち・ひと・しごとの創生が、人口減少に対する基本戦略とされておりますが、やっていくことはその逆からと考えております。
(1)働く場を増やす 稼ぐ力を高める(しごとづくり)
地域の活力を高める施策を展開し、稼ぐ力を高めていかなければなりません。そのため、仕事の種類、働き方の多様性、働く場所の数を増やす取り組みを進めます。
▽駅東工場跡地は、市の最重要課題である人口減少に対処するため、「雇用を創り出す場」として民間活力による土地開発が図られるよう、活用策の検討を進める
▽市へ土地が引き渡される令和8年度に向けて、この土地の管理運営を担う法人を設立し、管理運営体制の確立に取り組む
▽拡張整備を終えた一関東第二工業団地への企業誘致を進め、(仮称)一関インター西産業用地の整備、学校跡地の産業用地としての活用により、多様なニーズに対応した企業誘致・事業誘致に取り組む
▽起業後の持続可能な事業モデルの構築や経営の安定化につながるノウハウの習得を支援する
▽起業家コミュニティを形成し、起業しやすい環境づくりに努め、新たな事業の創出に向けた地域内発型産業の振興や地域企業の技術力・経営力の強化に取り組む
▽企業の成長と競争力強化を図るため、市内企業のDXへの取り組みや事業所の改築、社員寮の整備などを支援する
▽一関エリアへのインバウンド(訪日客)の誘客やビジネスでの結び付きをより強くするため、台湾やベトナムなどの企業や関係団体との一層の信頼関係の構築に努める
(2)人が輝く 人を育てる(ひとづくり)
一人一人が輝く「ひと」が中心の社会でなければなりません。女性や若者が活躍できるまち、健康長寿のまちを目指します。
▽女性や若者の地元定着、地元就職を促進するため、職場環境や働き方の改善を進めるためのセミナーを開催するとともに、働く場の環境整備を支援する
▽若者などの人材確保の支援やIT人材を育成するための取り組みを進める
▽若者の地元定着への支援として、学校法人や事業者などが行う学生寮の整備を支援する
▽市内に通学する生徒の下宿などの家賃を支援する
▽市外で暮らす若者などが働きながら一定期間一関に滞在し、地域の文化や生活に触れ交流するワーキングホリデーの機会を提供する
▽子育て支援として、一関保健センター内に「こども家庭センター」の機能を置き、各相談機関との連携を強化しながら、さまざまな家庭環境などに対応する包括的な相談支援の充実を図る
▽妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない伴走型相談支援および経済的支援を推進する
▽産後間もない時期の母子を支援するため、訪問型に加え、新たに通所型の産後ケア事業を実施し、安心して出産・子育てができる支援体制を整備する
▽認定こども園や放課後児童クラブなどの整備、病児保育の確保など、仕事と子育てを両立しながら安心して楽しく子育てができる環境を整備する
▽養育環境などに課題を抱える学齢期の児童が、放課後などに安心して過ごせる「こども第三の居場所」の運営を支援する
▽子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、乳幼児から高校生までの医療費無償化を継続する
▽学校給食については、物価上昇に伴う食材費高騰分を、引き続き市で負担する
▽外国人市民への支援として、あらゆる分野での人材を確保するため、高等教育機関との交流事業や外国籍就労者が働きやすい職場環境づくりを支援する
▽農業については、新たな担い手に対し、経営開始資金と経営を発展させるために必要な機械や設備などの導入を支援する
▽各種制度による支援を効率的かつ効果的に活用し、新たな人材や若い世代の移住定住を促進する
▽高齢者の生活習慣病の重症化予防と心身の機能が低下する状態(フレイル)の対策を推進するため、医療、介護、健康診査の情報の活用による高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する
問合せ:本庁政策企画課
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