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地域で学び住田に誇りを。~町独自教科「地域創造学」の取り組みについて~(1)

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岩手県住田町

本町では、平成29年度から小中学校と高校の計4校が文部科学省から「研究開発学校制度」の指定を受け、町の独自教科として「地域創造学」に取り組んでおり、本年度が指定の最終年度を迎えます。
本号では、改めて本町に「地域創造学」が創設された経緯やその目的、次年度以降の本町の学校教育についてお知らせします。

■「地域創造学」導入以前
本町では「地域創造学」に取り組む前から、町独自で主に2つの特色ある教育に取り組んできました。
1つ目は「森林環境学習」に関する取り組みです。森林・林業を基幹産業とする本町は、平成15年度から幼児から高齢者までの全世代が森林の恵みを体感しながら森に親しみ、人と森林とのつながりを理解することを目的に「森林環境学習」を展開してきました。
2つ目は「国際教育」に関する取り組みです。平成14年度から町独自に外国人教員を採用し、保育園から中学校までの連続した国際理解活動などを行い、社会のグローバル化に伴う変化に児童生徒が対応できるよう取り組んできました。

■「地域創造学」創設の経緯
本町では、前述のとおり2つの取り組みを実施してきましたが、児童生徒を取り巻く環境はグローバル化や価値観の多様化などにより急速に変化しています。
このような複雑化する社会に対し、これからの社会をたくましく生きようとする子どもの育成、また、地域に愛着心と誇りを持ち、地域を支えようとする心を育むために町独自教科「地域創造学」を創設しました。
「地域創造学」では、物事だけではなく、地域の実情にも理解を深め、問題や課題点を捉えながら、よりよい社会づくりについて提案する能力や他者と協力する能力、自分の置かれている状況を把握し、調整しながら学びや活動を推進する能力といった「社会的実践力」を身に付けることを目指しています。

■「地域創造学」を学ぶ意義
本町の風土の中で培われてきた伝統や文化、恵まれた自然環境などの条件は、児童生徒が生まれながらにして親しみ、暮らしの中で触れてきた貴重な学習材です。町教育委員会では、地域資源を活用し、地域を学ぶことを通して社会参画の意義や社会と自分との関わり、そして自分自身の生き方へと考えを深めることができる「地域創造学」により本町の学校教育の充実を図っています。
この学習活動を通して、児童生徒は地域の良さを認識し、地域への愛着を育みながら、児童生徒が社会に参画する機会を生み出すことにもつながっています。

■学びの5つのステージ
「地域創造学」は、児童生徒が段階的に成長できるよう各ステージごとに目標を設定し、着実に社会的実践力が育まれていくよう保育園の年長児も含めた5つのステージに応じて取り組んでいます。

◇各ステージにおける社会的実践力

■これまでの取り組み
各ステージで目標としている社会的実践力を身に付けるために各学校では、さまざまな学習に取り組んできました。

◇有住小学校(令和5年度6年生)
児童たちは、町民のくらしを支える行政の働きについて学習しました。
児童たちは、町職員や住田テレビスタッフなどと対話しながら、自分たちができることとして、町を活性化させるために町のPRポスターを作成。町内外のたくさんの方々に見てもらえるようにと、さまざまなお店や観光地に掲示を依頼しました。
さらには町内に幅広い発信を行う方法を考え、住田テレビや広報紙を通して、これまでの学びやポスター作成の経緯、自分たちの思いなどを発信しました。

◇世田米中学校(令和元年度3年生)
町内ではさまざまな食材が生産されているものの、同世代の生徒たちがそのことに気付いていないことを課題と捉え、町の食材を生かした給食献立を考案するプロジェクトに取り組みました。
町の給食センター栄養教諭と何度も協議を重ねた結果、生徒たちが考えた「クリームきのこスープ」と「ありすポークの肉巻き」が町内の学校給食として採用されました。

◇住田高等学校(令和2・3年度2・3年生)
生徒自らの海外研修での経験や他校生徒との交流から、気仙地域の外国人の暮らしやすさについて考えるプロジェクトに取り組みました。
外国人技能実習生へのインタビューや近隣の自治体への調査で、外国人と日本人の交流の場が少ないこと、外国語対応の「ゴミ分別表」がないことを課題として抽出。
他自治体の先進事例を学びながら外国語版のゴミの分別表を完成させ、令和3年度末に町内5カ所のごみステーションに設置されました。

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