さまざまなところで「働き方改革」が話題になっています。8月に実施された講演会を中心に江津市教育委員会から江津市の「働き方改革」についてお伝えします。
▽教員の現状知っていますか?
現在、江津市教育委員会では学校、教職員の「働き方改革」を喫緊の課題と位置づけ、取り組んでいます。
令和4年度の調査では、江津市立小中学校の教職員月平均残業時間は約40時間と結果が出ています。このような教職員の勤務状況を、保護者、社会全体の協力を得ながら改善していく「働き方改革」の取組が島根県全体で進められていることをご存じでしょうか?
令和5年12月、島根県教育委員会と県内市町村教育委員会は共同メッセージを採択し、発表しました。県教育委員会は、教職員の「働き方改革」を学校だけの話に閉じず、保護者、地域の皆さまと共有し、ご理解、ご協力をお願いしているところです。
▽講演会の実施
江津市教育委員会は講師に湘南学園学園長の住田昌治先生をお迎えし、働き方改革講演会を実施しました。「誰もが笑顔で過ごせる学校づくり~『働き方改革』で実現するHAPPYスクール~」をテーマにした講演会には、江津市内の教職員を中心に市外も含め約70名の参加がありました。
「働き方改革」と聞くと、教職員の長時間勤務の是正や学校行事の精選、会議などの見直しなど今までの業務を見直す、というイメージがあるかもしれません。しかし、今回の講演では、全く別の視点からの内容でした。
住田先生は横浜市立小学校で42年間ご勤務され、最後の12年間は校長職を務められました。「働き方改革」、「人材育成」、「学校運営、経営」など幅広い分野に精通され、全国各地で講演されています。また住田先生は幼稚園時代を江津市で、小・中・高校を浜田市で過ごされました。
▽働き方改革実現に向けて
「教職員のHAPPYが子どもの笑顔につながる」これは住田先生が講演会で使用された最初のスライドで示された言葉です。続いて、「他人を幸せにできるのは、今、幸せな人だけです。あなたは今、幸せですか?」と私たち参加者に問いかけられました。一見、働き方改革と無関係にも思えるフレーズですが、実は深いつながりがあるのです。講演の中で、文部科学省の提唱する働き方改革の目的を紹介されました。「教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに、その人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動をできるようにすること。」これは、「教師が教師としてするべきことに十分な時間をかけ、子供たちに対し効果的なパフォーマンスを発揮するために働き方改革をする」と言い換えてもよいかもしれません。
住田先生は、この働き方改革の目標を達成するためには、学校で子供に関わる教職員がまず心身共に健康でいること、そして大人自身が幸せであること。それに尽きるとお話されました。大人が社会の変化や自分の生き方を前向きに捉え、自身や社会の幸せを大切にしていくこと、そして対話を重ねながら助け合い、受容する人間関係を構築していくことで、温かく、笑顔あふれる居心地のよい職場風土が根付いていきます。このような風土で教職員が働くことで、それぞれの良さを発揮し、子供たちに効果的に関わることができます。これが「働き方改革」で実現を目指している学校や教職員の姿です。
▽江津市のこれから
引き続き市内統一した取組や各学校オリジナルで働き方改革を進めていきます。学校内で取り組むものもあれば、保護者や地域の皆さまにご協力を得ながら挑戦していくこともあると思います。「働き方改革」が子供たち、学校に関わる皆さまの幸せな生き方を実現していくためのものであるということをご理解いただき、引き続き各小中学校へのご協力をお願いいたします。
問合せ:学校教育課管理係
【電話】0855-52-7495
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