■地域で取り組む活動
行政が行う地域包括ケアシステムの取り組み以外にも、地域住民が主体となり、誰もが暮らしやすい地域づくりを目指して活動しています。
今回は、島根県から「令和5年度県民いきいき活動奨励賞」を受賞した2つの団体の取り組みを紹介します。県民いきいき活動奨励賞とは、地域課題に着目し、地域への貢献度が高い取り組みを行う団体を表彰するものです。
▽嘉久志町立脳活笑学校
・主な活動
地域から認知症の人や閉じこもりが少しでも減るよう、65歳以上から入学できる学校を創設。現在は地域の人33人が参加し、楽しみながら活動しています。
活動の始まりは校歌斉唱から。軽い体操や瞑想をして心身を整えたら、パズルや頭を使ったじゃんけんゲームなど、脳を活かして笑顔になるトレーニングを行います。これらの活動は県内外からも注目され、他地域にも活動が広がってきています。
▽浅利ボランティアつくしの会
・主な活動
民生委員、市などと協力し、地域の人が安心して暮らせる環境をつくっています。
高齢者が安心して暮らし続けるため、近隣の人の見守りや声かけ活動を行っています。地域で暮らす高齢者に給食を提供する「にこにこ給食」は、高齢者の健康状況の確認や孤独防止にもつながっています。
定期的に行う役員会では、地域の人の健康状況などを報告・共有し、生活の手助けを行っています。
■暮らし続けるためにできること
身近なところで実践できる、大切な視点を紹介します。
▽生活支援と社会参加ができるまち
年齢を重ねても、暮らしやすく、外出や交流が続けられる環境が必要です。
・生活の困りごとを解決する
高齢になると、買物や移動の手段など生活の困り事が生じます。困りごとを地域で話し合い、生活の中で出来る工夫や解決策を考えることが大切です。
社会福祉協議会の生活支援コーディネーターが、地域に出かけ地域の皆さんと一緒に取り組みを進めています。
・地域に出かけ、人や社会とつながる
市内には、サロンや百歳体操、趣味活動など多くの通いの場があります。地域に出かけて交流の機会を持つことは、介護予防につながります。
身近な地域で声を掛け合いながら、人との交流や外出の機会を増やすことが大切です。
▽認知症になっても暮らせる地域づくり
認知症になっても、地域の見守りやちょっとした手助け、社会参加の機会などあれば、住み慣れた地域で暮らし続けることができる人もたくさんいます。
認知症への理解を地域全体で深め、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりが求められています。
・認知症への理解を深める
認知症を正しく理解し、地域での見守りや声かけを行う人を増やす取り組みとして、「認知症サポーター養成講座」を開催しています。
本市では、令和4年度末時点で4366人が認知症サポーターとなり、認知症の人やその家族の良き理解者となっています。
・地域で認知症の人と家族を支える
認知症の人やその家族、地域住民、専門職が集う場所として、市内9カ所で認知症カフェを開催しています。
また、同じ悩みを持つ人同士で語り合う場として、認知症の当事者会や介護者のつどいを定期的に行っています。
※ホームページの二次元コードは本紙をご覧ください。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>