■認知症とともに生きる~9月は認知症月間です~
誰もがなるかもしれない脳の病気、それが「認知症」です。認知症があっても希望を持ちながら、暮らすことができるよう、令和6年1月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法(通称 認知症基本法)」が施行しました。
認知症になっても、安心して暮らせる地域を作るために、まずは認知症を理解することから始めてみませんか?
今月号では市内の自宅で生活している認知症のAさんと夫の様子をご紹介します。
■Interview
▼認知症のAさんと暮らす夫の声
○認知症と診断されたきっかけ
妻の様子が変だなと思い始めたのは今から約5年前のことで、『お母さんが家で待っている』と亡くなった実母のことを生きているように言うようになったのが始まりです。当時は認知症だとは思わず、年のせいかなくらいに思ってました。約2年前から1日に何回も外を出歩くようになったので、病院で相談したところ、アルツハイマー型認知症だと診断されました。
○今の生活の様子
最近は自宅のトイレの場所が時々分からなくなることがあります。また、外を歩くと車道を歩いてしまうことが多く認知症が進んできたなと感じます。出歩くことを止めるのは難しく、地域の人の見守りや介護保険で借りているGPSを使っています。
昨年からデイサービスに行くようになりました。2時間くらいなら自分と離れて過ごすことができるかなと思ったので、ケアマネさんと相談して週1回・2時間で利用を始めました。ほんの短い時間でも自分の時間が持てるのは大変ありがたいと思っています。
○地域での見守りとともに
最初は地域の人に認知症のことを知られるのは嫌でした。しかし、出歩くと脇道に入ることが多くなり、発見できないことが増えていき、自分一人の力では難しいと思いました。今では、地域のみんなが妻の認知症を知ってくれています。外を出歩くと、地元の人たちが『〇〇の近くを歩いていたよ』と教えてくれるのでとてもありがたく感じています。認知症カフェやニコニコ給食があると、民生委員さんたちが誘ってくれます。本人にとっても頭の刺激になるんじゃないかと思い、集まりには連れて行くようにしています。妻自身も『ここは良い所。みんないい人』と地域の人と出会うのを嬉しそうにしています。
○これからも2人で過ごしたい
自宅での介護は段々大変になっていますが、なるべく今の生活を続けていきたいと思っています。
以前施設の見学に行ったとき、妻が『私はどこにも行かない』、『お父さんと一緒に家にいる』と言ったんです。だから、自分が元気でいる間は一緒にいてあげたい。なるべく自宅で見て、そばにいてやりたいと思っています。それに、おらんと寂しいのが本音だね。
▼Aさん夫妻を見守っている地域の人の声
自分たちはそれぞれ自分ができることをしているだけ。夫婦で暮らせて幸せだと思う。Aさん夫妻のように、地域のみんなが気にかけてくれたら、自分が認知症になったとしても、この町なら生活が続けられそう。これからは地域の若い世代にも関心を持ってもらい、誰もが安心して暮らせる地域を作っていきたい。
■認知症コラム 認知症とGPS機器
行方不明時の早期発見や事故防止のひとつの手段として、GPSが活用されています。GPSが入った携帯端末を首からさげたり、靴などに内蔵されているタイプもあります。最近では介護保険の福祉用具レンタルで適用できるタイプも増えてきています。
■認知症になってもできる限り住み慣れた地域で、望む暮らしができる江津市をめざして、認知症の人やその家族を支える取り組みを行っています。
▼介護者の集い
認知症の人の介護者で集まり、介護の悩み等を話しながらリフレッシュできる場です。
日時:9月17日(火)午前10時~11時30分
場所:江津市職員会館
対象:認知症の家族を介護している人
参加費:100円(お茶代)
申込:不要
▼本人ミーティング「やろうかい」
認知症の当事者同士で集い、日頃感じている思いや体験を自由に話せる場です。
日時:10月11日(金)午前10時~11時30分
場所:江津市職員会館
対象:認知症の人、物忘れが気になる人
参加費:100円(お茶代)
申込:はじめて参加する人は事前に地域包括支援センターまでご連絡ください。
▼江津市認知症あんしんガイド(認知症ケアパス)
認知症の基礎知識や相談窓口、地域資源等を掲載しています。是非ご活用ください。
※ホームページの二次元コードは本紙をご覧ください。
▼認知症高齢者等見守り安心ネットワーク
認知症により行方不明になる可能性がある人の情報を登録しておくことで、早期発見に役立てる制度です。
申込・問合せ:高齢者障がい者福祉課 高齢者福祉係
【電話】0855-52-7480
問合せ:地域包括支援センター
【電話】0855-52-7488
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