■医療費控除について
▽医療費控除とは
・申告者や申告者と生計を一にする親族のために支払った1年間の医療費の合計額が一定の金額を超えた場合に受けることができる所得控除のことです。医療費控除を申告することにより、所得税や住民税が還付または減額されます。
▽医療費控除を受けるための要件
・申告者が令和5年中に支払った、申告者または申告者と生計同一の配偶者その他の親族のための医療費であること。
・申告者が所得税または住民税の課税者であること。
非課税の場合は控除を受けた効果(税の還付や減額)が生じません。
▽医療費控除額の計算方法
医療費控除額=1年間に実際に支払った医療費の合計額-Aの金額-Bの金額
A:保険金などで補てんされる金額
(例)
・生命保険契約等で支給される入院給付金
・健康保険で支給される高額医療費、家族療養費、出産育児一時金など
B:その年の総所得金額等が200万円以上の方…10万円
(例1)支払医療費35万円-補てん金20万円-10万円=5万円(医療費控除額)
その年の総所得金額等が200万円未満の方…総所得金額×5%の金額
(例2)支払医療費35万円-補てん金20万円-(総所得額100万円×5%)=10万円(医療費控除額)
▽医療費控除の手続き
確定申告または住民税の申告
・「医療費控除の明細書」または、医療保険者が発行する「医療費通知」、支払った医療費の領収書、給与・年金所得者の場合は源泉徴収票が必要です。
・支払った医療費については、あらかじめ、医療を受けた方、支払先ごとの合計額を計算してください。
▽医療費の範囲
[医療費控除の対象となるもの]
(基本)病気やけがを治すためにかかった費用
(事例)
・医師、歯科医師による診療、治療の費用
・治療、療養に必要な医薬品の購入費
・入院の際の部屋代や食事代
・出産費用、妊婦等の定期健診の費用
・介護保険で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
・病気のとき、病院に行かずに薬局で購入した風邪薬、鎮痛剤、胃腸薬などの購入費
・治療のためのマッサージ、はり、きゅう、指圧など
・保健師、看護師等に依頼した療養上の世話の費用
・治療を受けるために必要な通院費、医師の送迎費、医療用器具の代金や賃借料
・6カ月以上寝たきりで医師の治療を受ける場合のおむつ代(医師の証明書が必要)
[医療費控除の対象とならないもの]
(基本)病気やケガなどの治療に直接関係のない、予防や健康増進・美容などを目的とした費用
(事例)
・健康診断、人間ドック、予防接種の費用
・美容整形手術費
・家族、親類縁者に対する付添料
・車のガソリン代、駐車料金
・入院時のクリーニング代、診断書料
・差額ベッド代(医師の指示がある場合は対象となる)
・予防や健康増進のためのビタミン剤、うがい薬、漢方薬など
・美容、疲れを癒す、体調を整えるための整体、マッサージなど
・メガネ、補聴器の購入費(医師の指示がある場合は対象となる)
・美容のための歯列矯正(子どもの成長を阻害しないようにするために行う歯列矯正は対象となる)
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