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海藻専門家の海藻講座

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島根県西ノ島町

◆第7回 藻場によるCO2の吸収・貯留プロセス
今回はブルーカーボン生態系である藻場によるCO2の吸収・貯留プロセスについてお話しします。藻場を構成する海草や海藻は、光があたると光合成によって海中に溶けているCO2(二酸化炭素)を吸収し、海中に酸素を供給するとともに体の中に炭素(有機炭素)を貯めて生長します。この時、海中のCO2が減少し、その減った分のCO2が大気中から海中へ取り込まれます(図,CO2吸収)。そして、海草や海藻の藻場は4つのプロセスでCO2を長期間にわたり貯留します(図,(1)~(4))。これらのプロセスを含んだ吸収係数(単位面積当たりのCO2貯留量)に、藻場の面積を乗じることで、藻場によるCO2貯留量を簡易的に算定することができます(詳細は参考資料)。
執筆:水産大学校・村瀬昇

[参考資料]
水産研究・教育機構(2023):海草・海藻藻場のCO2貯留量算定ガイドブック.水産研究・教育機構,pp.13

◇ブルーカーボン生態系である海草・海藻藻場によるCO2吸収・貯留プロセス
※図は本紙をご覧ください。
(1)堆積貯留…枯れた海草や海藻が藻場内の海底に堆積して貯留
(2)難分解貯留…枯れた海草や海藻や、その細かくなった葉片が流出し、長期にわたりCO2に戻らない難分解性の細片(粒子状)となり、藻場の外の沿岸域に堆積して貯留
(3)RDOC貯留…海草や海藻が放出する難分解性の溶存態有機炭素が海中で貯留(RDOC:Refractory Dissolved Organic Carbon,難分解性溶存態有機炭素)
(4)深海貯留…波浪などで流出した海草や海藻が流れ藻となって沖合に移動し、浮力を失って深海へ沈降して貯留

問い合わせ:西ノ島町役場 産業振興課
【電話】08514-6-1220

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