◆ブルーカーボン生態系をどう活かすか?
沿岸漁業を支える藻場や海域での海藻養殖は、ブルーカーボン生態系としてCO2を吸収・貯留する重要な役割があることを前回までに説明しました。
藻場を増やす活動や新たな海藻養殖によって得られるCO2吸収量は、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)に申請し審査されると、Jブルークレジット(R)が認証されます(詳細は参考資料※)。このクレジットを活用すると、申請した藻場保全活動などを実施する漁業者や環境活動団体などは、資金調達が可能となり活動を維持し発展させることができます。一方、クレジットを購入する企業などは、CO2削減(温暖化対策)と藻場保全活動の応援などによるSDGSとしての社会貢献を示すことができます。
西ノ島町の沿岸には、ブルーカーボン生態系となる藻場が広がり、さらには海藻養殖が可能な海域があります。藻場を構成するアラメは以前から炒め煮で調理され、最近ではツルアラメに健康成分が含まれることがわかってきましたが、これらの海藻を海域から全て刈り取って利用するわけにはいきません。海藻を持続的に利用するためには、資源管理や養殖などの取り組みが必要になります。
執筆:水産大学校・村瀬 昇
問合せ:西ノ島町役場 産業振興課
【電話】08514-6-1220
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