Eerolla on asiaa
フィンランド出身国際交流員による、フィンランドや邑南町の話
■第13回 「フィンランド人はだいたいどんなものを食べますか?」
▽フィンランドの気候と食文化
フィンランドの食文化も他の国のように気候の影響があり、短い日照時間のため、栽培できる農作物は限られています。
例えば、5月下旬に植え付けを行うと、玉ねぎは8月、ジャガイモは9~10月に収穫します。トマト、キュウリ、サラダ類に使う野菜、米は気候が寒過ぎます。野菜の多くは温室で栽培するか、輸入します。
小麦、大麦やオーツは栽培されます(国内パスタも有)。特にライ麦は、小麦より酸性土壌に強く、乾燥や寒冷な気候を耐えるため、1800年代まで一番生産された穀物です。味が濃く、健康にも良いので、現在も食べられるパンの3分の1はライ麦パンで、2017年の調査で国民食に選ばれました。
▽主食、肉、魚の事情
最も大切な農産物のジャガイモはフィンランドの主食です。ゆでたポテト、オーブンポテト、マッシュポテト、ポテトフライなどで食べられるジャガイモは家庭料理の柱の一つです。最近、パスタや米の人気が徐々に高くなり、ゆで時間の短いパスタは慌ただしい日常生活でよく食べられる物です。
ちなみに炊飯器を持っている人は滅多にいません。朝ごはんは伝統的にオートミールですが、パンの人気も高いです。肉料理は豚肉、牛肉、トナカイ、ヘラジカとたまに羊肉を食べます。
魚は種類が日本より少ないです。国産サーモンの生産量が多く、ノルウェー産サーモンもたくさん食べます。頭数の多いトナカイは北フィンランドでよく食べますが、南フィンランドでたまにしか食べません。都内のレストランで食べられる場合もあります。
▽健康志向のフィンランド
フィンランドでは「健康的」が流行っています。特に女性の方は、昼食でサラダを選ぶ人もいますし、外食でもサイズが大きい「メインとしてサラダ」という選択肢があります。私も軽く食べたい場合に、スモークサーモンサラダ/チキンサラダを選んだことがあります。
また、最近、ビーガン主義の方もいます。肉や他の生き物で作った食物(卵、ハチミツ、牛乳)を食べずに、タンパク質を豆類や豆腐等から摂ります。
▽主食、肉、魚の事情
また、食事のときに牛乳もよく飲みます。大学院時代にルームメイトだった2人も毎日牛乳を飲みました。限られた農産業と貧困に苦しんだ時代には、タンパク質と栄養価が高い牛乳は非常にありがたい飲み物でした。ちなみに南、中央ヨーロッパでは、大人の方は牛乳を食事と一緒にあまり飲みません。
コーヒーも大人気です!1人当たりのコーヒー消費量はフィンランドが世界一だと知っていましたか?コーヒーに元気付けられ、フィンランド人は暗い冬を乗り越えます。実は職場で毎日15分の「コーヒー休憩」も法律で定められています。もちろんお茶派の人もいます。コーヒーかお茶と一緒に甘い物も時々食べ、シナモンロール、ブルーベリーパイ、クッキーとケーキなどは人気です。チョコレートも品質が割と高いです。
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