■「大腸がん検診って?」
消化器内科医員 大植崇央(おおうえたかひろ)
◯健康診断・がん検診を受けたことはありますか?
日本のがん検診受診率は40%程度とされています。5人に2人が受けているのだからたくさんの人が受けている、と思う方もいるかもしれません。実はアメリカでは80%の人ががん検診を受けており、日本はその半分程度で高い割合とは言えません(*もちろん国・文化・保険制度などの背景の違いはあります)。
厚生労働省では60%以上の達成を目標としています。
【HP】https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/screening/screening.html
※国民生活基礎調査より
◯がん検診にはどんなものがあるのでしょうか?
がん検診には5種類あります。胃がん検診、大腸がん検診、肺がん検診、乳がん検診、子宮(頸)がん検診です。
今回はその中で大腸がん検診(便潜血反応検査)を紹介します。
◯便潜血反応検査とは?
便潜血反応検査は大腸がん検診で行われます。便を少し採取していただく検査で痛みはありません。名前のとおり便の中に隠れたヒトの血液を見つける方法で、大腸がんやポリープを探し出します。「昨日、お肉を食べたから陽性になる」とはなりませんので安心してください。
令和4年の大腸がん検診受診率は全国で男性約49%、女性約43%で年々増加傾向にあります。しかし、令和3年の島根県受診率は7・1%、雲南市受診率は9・3%で、年々低下傾向にあります。驚くべき事実ですが、全国と比較し島根県での大腸がん検診を含めたがん検診受診率は5分の1程度です。
《便潜血反応検査の流れ》
※詳細は広報紙14ページをご覧ください。
◯大腸がんとは?
名前のとおり大腸にできる悪性腫瘍です。日本では大腸がんは増加傾向にあり、50歳を過ぎた頃から年齢とともに割合が高まります。症状は便に血が混じる、便が細くなる、便が残る感じがあるなどありますが、早期ではほとんどが無症状です。症状が出てから見つかった際には多くが進行がんといわれるステージまで進んでしまっており、治療は手術や抗癌剤などの体への負担があるものとなります。しかし、がんを早く見つけることができれば、お腹を切らずに大腸カメラで治療が可能となります。
◯最後に
今回簡単に便潜血反応検査・大腸がんについて説明しました。
大腸がんは早期では自覚症状はなく見つけることは難しい病気です。がん検診を受けて早期発見することで自分の身体を守りませんか。
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