■「暑い夏を乗り切ろう!」
地域ケア科 医員 内藤 祐美(ないとうゆみ)
気温が高く、湿度が高いこの時期は熱中症になる方が急増します。
熱中症にならないためにみんなで声を掛け合い、助け合いながら暑い夏を乗り切りましょう。
◯熱中症とは
熱中症とは身体が熱に耐えられなくなった結果として生じる病態のことです。
下表は東京都における熱中症患者の年齢と発生場所別搬送率を示しています。熱中症は10代と65歳以上に多いことが分かります。また、熱中症は屋外のイメージが強いですが、65歳以上の方は住居での熱中症が最も多く注意が必要です。
◎東京都における熱中症の年齢階級別にみた発生場所別搬送率
出典:星 秋夫 日常生活における熱中症予防 公衆衛生2015年6月vol.79 No.6
◯熱中症の症状は?
熱中症の症状は?熱中症になると大量に汗をかき、立ちくらみ、こむら返り、筋肉痛の症状がでます。さらに進行すると頭痛、嘔吐、倦怠感が生じ、重度になると意識がなくなり、痙攣(けいれん)することもあります。
重症になると命を落とします。平成22年には全国で1,745人もの方が熱中症が原因で亡くなっています。
◯熱中症の予防
(1)体温を上昇させない
《屋外》
・可能であれば早朝、夕方に作業をする
・定期的に涼しい場所に移動する
・皮膚の露出を控える服装(傘やつばの大きい帽子など)
《屋内》
・エアコンをつける(エアコンが苦手な方は扇風機でも可)
・温度は28度以下、湿度は50%以下になるように設定
・皮膚を露出する服装(タンクトップや短パンなど)
(2)水分・塩分の補給
喉が渇いた時にはすでに脱水の状態です。夏は常に汗をかき塩分を喪失しているので、水分だけでなく塩分の摂取も重要です。
経口補水液が販売されていますが、自宅でも簡単な経口補水液を作ることができます。水1Lに塩小さじ2分の1、砂糖大さじ4を入れてください。水を番茶に変更してもいいと思いますよ。
◯もし熱中症になってしまったら
意識がない場合はためらわず119番しましょう。
意識を確認したら、体温を下げるために涼しい場所に移動し、首や脇、足の付け根を冷やしましょう。また水分・塩分をとってください。
症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。
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