尾道水道を一望できる千光寺公園。「日本さくら名所100選」に選出されており、春には市内外から多くの人が訪れます。
昭和55年、千光寺公園の中に尾道市立美術館が開館しました。
そして平成15年にリニューアル・オープンしてから21年7カ月7日経過した、令和6年8月18日(日)にリニューアル・オープン後の入館者が100万人に到達しました。
入館者100万人目となったのは、兵庫県神戸市在住の白名悠泰さん。観光で初めて尾道市に訪れた白名さんは、街中で展覧会のポスターを目にして美術館へ足を運んだそうです。
記念品として認定証と美術館オリジナルグッズが贈呈されました。
■知ってる?尾道市立美術館のはじまり
▽[昭和55年3月20日]開館
総事業費の半分以上は寄付によって賄われ、尾道市民待望の市立美術館としてオープンしました。
外観は重要文化財の西郷寺本堂を模しています。お寺と共に歩んできた尾道市の特色が表れているデザインとなっています。
▽[平成15年1月11日]リニューアル・オープン
開館20年を経て、世界的建築家安藤忠雄さん設計による改修工事を終えて、リニューアル・オープンしました。
増築部分はコンクリート打ち放しの壁とガラスの箱が印象的な造りとなっており、元の寺院を模した部分とも調和したデザインとなっています。
▽絶景ビューポイント!
千光寺公園頂上展望台「PEAK」
(1)展望台(全体)
(2)夜の美術館
(3)尾道水道(美術館2階ロビーから)
(4)展望台(ライトアップ)
「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市」として日本遺産に認定されている尾道の箱庭のような風景は、美術館2階ロビーからも眺めることができます。
■リニューアル後100万人目を迎えて
尾道市立美術館は、芸術文化をこよなく愛する市民の厚い声と、その草の根運動の成果として昭和55年に建設され、その期待に応え、市民に愛される芸術文化施設として歩んできました。そして、平成15年の安藤忠雄氏の設計によるリニューアルで、より一層本格派の美術館として地域社会に貢献し、本日に至っております。こうしてリニューアル後100万人目のお客様をお迎えするにあたり、市民を代表する立場といたしまして、あらためまして関係の皆様方に心からの感謝を申し上げます。
この美術館が、多くの市民の皆様にとりまして、豊かな感性をはぐくみ、尾道の芸術・文化の継承、発展に寄与する場となりますことを祈念しております。
尾道市長 平谷祐宏
尾道市立美術館は昭和49年に洋画家小林和作が写生旅行中に不慮の事故で急逝したことをきっかけに、市民による建設運動が高まるとともに沢山の寄付が寄せられ、昭和55年に開館しました。
令和6年は小林和作没後50年にあたり、この節目の年にリニューアル後100万人目のお客様をお迎えすることが出来たことに深い感慨を覚えます。
これからも郷土にゆかりのある画家を顕彰しながら次世代へ引き継いでいくとともに、幅広い芸術作品に触れることができる展覧会と普及事業の開催、公募展、市内の小・中・高等学校や大学との連携による美術教育などにより、質の高い芸術に触れる機会を提供し、皆様に身近な開かれた美術館として活動してまいります。
尾道市立美術館館長 新苗美緒
■光と色のワークショップ~偏光板を用いた灯籠づくり~
8月3日(土)、日東電工(株)尾道事業所とのコラボ企画ワークショップが美術館で開催されました。
ディスプレイ素材として使用される日東電工の製品「偏光板」をアートとして活用し、子どもたちの創造力向上や科学に興味を持つきっかけ作りとする「偏光板アートプロジェクト」の一環として行われました。このプロジェクトは子どもたちの創造性と未来を拓くデザインとして第18回キッズデザイン賞を受賞しました!
子どもたちは、偏光板を材料の一部に使用し、自分だけの回し灯籠を作成しました。オリジナルの灯籠が回る様子をじっくりと見つめていました。
(展覧会に合わせた講演会やワークショップなど、様々な教育普及事業にも取り組んでいます。)
■尾道市美術館ネットワーク
市内には、それぞれの特色がある6つの美術館があります。
6つの美術館が連携を図り、市全体の芸術文化の高揚を図ろうと「美術館ネットワーク」を形成しています。
・圓鍔勝三彫刻美術館
・尾道市立美術館
・平山郁夫美術館
・なかた美術館
・MOU尾道市立大学美術館
・耕三寺博物館
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