営農指導員のワンポイントアドバイス
営農指導員 若山 譲(わかやま ゆずる)
■野菜の上手な保存方法
収穫で根を切られた葉菜や芋類は、どこからも養分や水分を取り入れることができないため、内部で蓄えられた成分(糖など)を分解しながら、呼吸し、生命を維持しています。それに伴い、味や栄養に関係する成分は、どんどん消耗されるため、品質や鮮度の低下を招きます。また、水分の蒸散による「しおれ」や「しなび」も、品質・鮮度が低下する原因の一つです。ほとんどの野菜は、水分が全体の約90%を占めますが、そのうち5%を失っただけで、すぐにしおれたり、しわが寄ったりして、つやを失います。
▽こうすれば野菜は長持ちする!
野菜を長期保存するためには「呼吸を抑えること」「水分の蒸散を防止すること」が必要です。
(1)適温管理
収穫した野菜はなるべく早く、適切な温度まで冷却することが大切です。一般に野菜を長期保存する場合は、0~5℃の低温が良いものと、10~15℃が良いものがあります。例えば、ダイコンやニンジンなどは前者、サツマイモやショウガなどは後者です。
(2)ポリ袋で密閉
空気を適度に通す薄めのポリ袋に野菜を包むことで、野菜を長持ちさせることができます。野菜は窒息しませんが、呼吸がよく抑えられ、野菜が冬眠したような状態になると、養分の消耗や水分の蒸散を防ぐことにつながります。
(3)貯蔵場所
ハクサイやキャベツ、ダイコンなどは新聞紙に包んで段ボールに詰め、気温の低いところに置けば1カ月以上は持ちます。
サツマイモやサトイモは、同じように新聞紙と段ボールを使い、あまり気温が下がらない台所や比較的暖かい部屋に置きます。
タマネギやニンニク、ショウガは乾燥状態が良いので、網袋に入れて吊しておきます。
ダイコンやニンジン、ヤマノイモ、ゴボウなどは葉を切り落として、庭などに穴を掘って埋め、軽く土をかけておくだけでかなり長く保存できます。
低温が適温の野菜は冷蔵庫に保存しますが、畑にあった状態(立ち姿)の方が長持ちします。
問い合わせ:農業振興課農業振興係
【電話】0824-73-1131
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