開館:10時~17時、
休館:月曜(祝日開館・翌日休館)・年末年始
■勤労感謝の日と「新嘗祭(にいなめさい)」
11月23日は勤労感謝の日で、日本の祝日となっています。この日は「勤労をたっとび(尊重し)、生産を祝い、国民互いに感謝しあうこと」を目的とし定められた祝日です。その由来は旧暦11月2回目の卯(う)の日に行われていた「新嘗祭」にあることはご存じでしょうか。
新嘗祭は収穫を祝い初穂などを神に供えて感謝し、祭りの参加者全員で飲食を共にするというお祭りです。
私たちが生活するうえで「食」、特に主食である「米」は欠かせないものです。また古来日本には米や野菜などを税として納める制度がありました。農作物が不作で飢饉(ききん)が発生すると、税率や米価を下げるために一揆や打ちこわしが起こることもあったようです。このように日本の歴史を見ても農作物の収穫量は人々の日々の生活に大きく影響を与えていたことが分かります。
また、当時は現代のような農業機械や農薬、化学肥料などは無かったため、農作業のほとんどは人力や牛馬など家畜の力で行い、今よりも多くの労力や時間、手間暇をかけて農作物を育て収穫していました。
このようなことから、農作物に感じる価値や収穫量に対する悲喜(ひき)の感情は、今よりもずっと大きかったのでしょう。そのため、秋の収穫時期に新嘗祭などの収穫祭を開催し、一年の収穫を神に感謝し、参加者全員で収穫を祝い、日々の労働をねぎらっていたのです。この新嘗祭は全国的にみられる祭事であり、庄原市では今でもいくつかの地域で行われているようです。
戦前、「新嘗祭」は宮中にて天皇が執り行う祭事の一つとして祭日に定められていましたが、戦後改革によって祝祭日の見直しが検討され、現在の「勤労感謝の日」となりました。
庄原市歴史民俗資料館の民俗資料展示の一角には「耕す」というコーナーを設け、実際に庄原市で使用されていた田靴や千歯こき、鍬など農具の展示を行っております。また、「計る」「挽(ひ)く」「織る」のコーナーでは林業や織物など庄原市の生業(勤労)に関係する展示も行っております。
庄原市歴史民俗資料館は土・日・祝日も開館していますので、ぜひ勤労感謝の日はご来館ください。
問合せ:田園文化センター(歴史民俗資料館・倉田百三文学館)
【電話】0824-72-1159
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