■第94回 抜歯後の放置
▽質問
歯の状態が悪く抜歯しましたが、そのまま歯が無くても問題ないと感じています。放置しても大丈夫ですか?
▽回答
悪くなった歯を抜歯した後、治療せずに放置すると、口の中だけでなく、全身にもさまざまな悪影響を及ぼします。
歯が無いと口を開けた時に見た目が悪くなりますし、無くなった歯の本数によっては顔の輪郭まで変化します。
また、歯を抜いた後の隙間に、隣の歯が倒れてきたり、噛み合う歯が伸びてきたりして、噛み合わせや歯並びが悪くなります。その結果、食べ物を噛みにくくなったり、他の歯や顎関節に負担がかかったり、咀嚼(そしゃく)効率が悪くなることで胃腸にも負担がかかります。
他に、発音しづらい、脳への刺激が減り認知症が生じやすくなるなど、身体のバランスが崩れていきます。
抜歯後の代表的な治療法としては次の3つがあります。
(1)ブリッジ:抜いた両隣の歯着する治療方法です。セメントで完全に固定するため違和感も少ないです。
(2)入れ歯:残っている歯にバネをかけて維持するため、歯を削る必要がありません。
(3)インプラント:保険適用外で外科手術と長期の治療期間が必要になりますが、抜いた隣の歯の負担がとても少なく、見た目も自分の歯とほとんど変わりません。
「ブリッジは隣の歯を削らないといけない」、「入れ歯は違和感があり、出し入れが面倒」、「インプラントは時間がかかるし、高額」などの理由から、治療しないで放置される方が時々いらっしゃいます。
しかし、先に説明したように、治療しない期間が長引くとさまざまな問題が発生するとともに、その後の処置がより困難になる可能性がありますので、適切な時期に治療を始めることを強く推奨します。
詳しくは、かかりつけの歯科医院でご相談ください。
▽吉野川市歯科医師会
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