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ウミガメNews Letter No.24

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徳島県美波町

■産卵数の調査から分かること
広い海を回遊するウミガメを知るためには、一か所の砂浜での調査ではわからないことが多く、様々な情報交換やネットワークが非常に重要となります。先日、鹿児島県屋久島に行ってきました。ここは日本最大のウミガメ産卵地で、産卵時期になると一晩に数十頭のアカウミガメに加えて、アオウミガメも産卵します。このような砂浜が複数あり、これらすべてを調査するためには非常に大きな調査作業量と人員が必要で、その確保に苦労されていました。また、今年の夏には、美波町ウミガメ保護監視員の皆さんと共に、和歌山県みなべ町千里浜にも視察に行かせて頂きました。視察で伺った時は、ウミガメ産卵時期だったので、産卵上陸調査にも同行させて頂き、大浜海岸での調査方法や砂浜環境の違いを見せて頂き大変参考になりました。ここの産卵場は大浜海岸からほぼ真向かいの紀伊半島に位置していて、産卵上陸したウミガメが行き来した記録もあり、2つの産卵場を比較するための情報交換が非常に重要な産卵地です。毎年、日本で産卵が確認されたウミガメの頭数は、これから集計されます。この作業は、NPO法人日本ウミガメ協議会が日本各地のデータを借り受けて、1990年から毎年行っています。この集計作業によって、およそではあっても、毎年のウミガメ産卵上陸数の増減が見えてきます。全国で同じパターンで見られる増減から、毎年の産卵しようとしたウミガメの増減を知ることができます。ウミガメの産卵シーズンに全国の砂浜でウミガメの上陸産卵した跡が各地の調査員によって数えられ、集計するという単純な調査ですが、今年で34年目ともなると、ウミガメの産卵上陸頭数は単純に減り続けたのではないことが見えてきます。例えば、全国集計が始まった1990年~1998年にかけてアカウミガメの産卵回数は減少しましたが、2002年頃から2013年に一時的に増えた後、再び減少しています。今年、全国の産卵場ではアカウミガメの産卵数が非常に少なかったと聞いています。アカウミガメの産卵適齢期を20~30歳とするなら、このウミガメが生まれたのが、全国的に産卵数が減少した時期なので、ここしばらくは産卵するウミガメの数そのものが少なくなり、一時的に産卵数が増えた2002年~2013年に生まれたウミガメが産卵するころに産卵数が増えることを期待しています。
館長:平手康市

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〒779-2304徳島県海部郡美波町日和佐浦369うみがめ博物館カレッタ「質問係」

■Question
夜に砂から出てくる子ガメは、どうして砂の中でも夜になったことが判るの?

■Answer
砂の中でふ化した子ガメは3~5日かけて砂の表面に上がってきます。この時、砂の温度が下がるのを待つため必然的に夜になるのです。でも、昼間でも温度が下がると勘違いして出てきてしまうことがあります。

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