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みなみの海のいきもの図鑑(ずかん)

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徳島県美波町

太平洋(たいへいよう)に面する美波町では多くの生き物たちが生息(せいそく)しています。このコーナーでは実際(じっさい)に撮影(さつえい)してきたリアルな写真と共にいろんな生き物たちをご紹介(しょうかい)します!

■ワレカラ
今回は不思議な姿をしたワレカラをご紹介します。「ワレカラ(割れ殻)」という名前は、採集した海藻などについていたワレカラが乾燥して殻が弾ける様子からついたという一説があります。すごく地味な生き物ですが、海藻をよく食べていた昔の日本人には身近な生き物だったようで、和歌にもよく詠まれています。大きさは1~2cmほどでナナフシやカマキリのような体型をしていて、体を大きく屈伸させて移動する姿はまるでシャクトリムシのようですがエビやカニの仲間です。岩や海藻、定置網や係留している船のロープなどでよく見られます。またアカウミガメの甲羅にもくっつくこともあり、産卵にやってきたアカウミガメや混獲個体の甲羅にはたくさんのワレカラが動いているのを高確率で確認できます。ワレカラは物の表面についている珪藻や浮遊している有機物を食べるので、藻などが多く付着するアカウミガメの甲羅は最高の住処かもしれませんね。そしてワレカラは小魚や、流れ藻内で生活するウミガメの子供の大切な餌となります。
ダイバー:長楽美保

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