■ウミガメの健康管理
生き物を飼育する現場では、体重はその健康状態を知る上で欠かせない情報です。私たちの健康診断で体重測定を行う事と同じ理由です。問題なく成長しているかの確認、毎日の餌、栄養剤や薬の量を決める為など、体重は重要な情報なのです。カレッタでは、ウミガメやその他のカメ類の飼育をしています。簡単に体重計に乗せられる大きさのカメでは問題ありません。しかし、大きなウミガメの場合は、体重計に乗せるだけでも大変な作業になりますし、100キロを超える重さを測れる体重計もなかなかありません。昨年73歳になった浜太郎も2年前に体重測定をしたところ、体重計の目盛りを振り切ってしまい、正確な体重が判らない状態でした。一方、リニューアル工事が進む中で、飼育しているウミガメの移動を考える必要が出てきました。大きな体のウミガメを人力で持ち上げて水槽から出す作業は大変に危険です。そこで工事現場で使用する鉄製パイプの三脚にチェーンブロックという滑車を用いて吊り上げる方法を採用しました。その時、同時に体重も測ることが出来るのではないかと考え、簡単に取り扱える大きさで1トンまで測れる吊下げ秤を用意し、これらを組み合わせてウミガメの体重測定を行いました。最初の体重測定は浜太郎で、体重は125キロであることが判りました。一方で、吊上げるまでの準備作業を簡単にする事や、吊下げた時のウミガメの負担を少なくするなどの工夫を引き続き考える必要があることも判りました。
館長:平手康市
うみがめについての質問をお送りください。
お答えします!
〒779-2304徳島県海部郡美波町日和佐浦369うみがめ博物館カレッタ「質問係」
▽Question
カメの他に甲羅がある動物はいますか?
▽Answer
カメの甲羅は、体表の鱗板(りんばん)(ツメの様な物)と体内の骨格が一体となって出来ていて、同じ構造の甲羅を持つ動物は他にいません。体が硬いイメージのワニやアルマジロ、殻を持つエビやカニの仲間、貝類やウニ類とは全く異なる構造なのです。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>