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うちのお医者さん[181]歯科診療と骨粗しょう症治療薬

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徳島県阿波市

阿波町居屋敷 十川歯科クリニック 十川和也(そがわかずや)先生
歯科診療と骨粗しょう症の薬についてお話します。一般的に、骨粗しょう症の治療の一環として使用される薬物(ビスホスホネート薬など)は、歯科治療に影響を与える可能性があります。

■薬剤関連顎骨壊死(がっこつえし)
骨粗しょう症治療薬などを長期間使用している場合、歯科治療による口腔内の刺激や外傷が炎症を引き起こし、顎の骨の壊死のリスクが高まる可能性があります。顎骨が壊死すると歯肉腫脹、疼痛、排膿、歯の動揺、顎骨の露出などが生じます。
一般の歯科治療(歯石除去、虫歯治療、義歯作成など)で顎骨壊死が生じることは少なく、発生リスクが高い治療は抜歯、歯科インプラント手術、歯周外科などの骨への侵襲を伴う外科的処置です。ビスホスホネート製剤長期使用、がん化学療法、顎骨への放射線治療、ステロイド薬、糖尿病、喫煙、飲酒、口腔内の不衛生などによっても顎骨壊死の発生率は増加するといわれています。

■歯周病治療時の注意
骨粗しょう症治療薬を服用している場合、歯周病の治療(歯ぐきの手術など)が必要な場合には、歯科医師とよく相談し、適切なケアを行う必要があります。

■歯科手術や抜歯時のリスク
骨粗しょう症治療薬などを使用している患者は、歯科手術や歯の抜歯などの処置を受ける際に骨の治癒や合併症のリスクが高くなる場合があります。歯科医師とよく相談し、治療計画を立てる必要があります。
また、服用治療開始前であれば抜歯適応の歯をリスクなく抜歯できる場合があるので歯科検診をして主治医と歯科医師に判断を仰いで下さい。
これらのため、歯科医師は患者が骨粗しょう症治療薬を使用しているかどうかを把握することが必要になり、それに適した治療計画を立てています。患者さんは歯科治療前後には定期的に歯科医師とのコミュニケーションを保つことが必要です。
個々の状況によって異なるため、ご自身の主治医や歯科医師と相談されることをお勧めします。なお、服用中の患者さんはむやみに自己判断で中断することはお勧めしません。

このコーナーは阿波市医師会・阿波歯科医師会・板野歯科医師会のご好意により提供いただいた原稿を掲載しています。

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