■新発見!テントウムシみたいな昆虫
写真の昆虫を見て、テントウムシみたいと思った方も多いのでは?この虫はトホシニセマルトビハムシといい、テントウムシとは遠縁です。体長はわずか3mmほどで、樹皮などに生えるノキシノブやマメヅタなどのシダ類を食べます。全国的に珍しい種で、これまで四国からの記録はありませんでした。しかし、当館コレクションを確認すると、2010年と2012年に面河渓産の標本2個体が収蔵されていました。そして昨年6月にも面河渓で見つかり、この3個体が四国初記録として学会誌に掲載されました。面河渓は古くから昆虫についてよく調べられていますが、このような新発見がまだ眠っています。
それにしてもこの黄色と黒の模様、テントウムシに見えませんか?派手な種が多いテントウムシは外敵に襲われた際、関節から苦い液を出すことで身を守ります。「トホシ」は苦い液を出しませんが、テントウムシに擬態して身を守っていると考えられます。このような、不味い・有毒の生き物に似せた擬態を「ベイツ型擬態」といいます。他にもゴキブリやクモでもテントウムシに似た色の種が知られています。 (安田)
▽学芸員のつぶやき
ノキシノブなどの葉の表面に丸く削ったような跡があれば、本種の食痕です。面河渓には本種の食痕が多くありますが、肝心の虫は全然見つかりません。
問合せ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
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