市民医学講座 NO.229

33／42

■健やかな皮膚のためにできること
今治市医師会
久保　映子(えいこ)

日常生活の中で「健やかな皮膚」のために、役に立つことをお伝えさせていただきます。食事、睡眠、ストレス対策について考えてみましょう。
(1)紫外線暴露により発生した活性酸素が、シミの原因になります。活性酸素を除去するためにビタミンCやEを取ることを心がけましょう。(2)鉄欠乏もシミやニキビの原因となります。レバーや赤身肉の摂取がお勧めです。できれば血液検査でフェリチン値を調べて、鉄欠乏の有無を確認してみましょう。(3)赤ら顔の人は、血糖値の急激な変動、胃酸不足、胃粘膜萎縮、ピロリ菌感染などの関与が推測される場合もあります。血液検査のABC検査などで胃について調べてみるのも良いと思います。対策としては、良く噛むこと、大根おろし、酢の物、梅干しなどと一緒にタンパク質を取ること、消化酵素を飲むなどが効果的です。(4)腸内環境も皮膚トラブルに関係しています。まず、便秘にならないように心がけましょう。食物繊維として、海藻、キノコ、野菜などを取り、水を多めに飲みましょう。甘いものは腸内環境の悪化や、血糖値の急激な上昇を招くので要注意です。小麦、乳製品は腸の炎症や粘膜を傷める原因になるので、控えることをお勧めします。(5)睡眠については、成長ホルモンがしっかり分泌されるために、夜11時までには寝るようにしましょう。(6)ストレスは腸の悪玉菌を増やします。ストレスをためないように、好きなことや楽しいことで、自分を癒すことも必要です。オキシトシンというホルモンは、触れ合いや、優しい肌のタッチなどにより、分泌されるホルモンです。心地良いスキンケアによっても分泌されます。自分を愛でて、優しく触れることが美肌へと導きます。
食餌(しょくじ)や栄養に気を付け、自分を大切にすることを忘れず、早寝早起き、適度な運動が、健やかな皮膚のためにできることではないかと思います。

※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。