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佐田岬民俗ノート 230

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愛媛県伊方町

■「佐田岬半島の石波止(上)」
半島の漁港に残る石積みの波止。青石(緑色片岩)で積まれたものが多く、これらは江戸末期から昭和30年代に築かれたものです。
今回は戦後の石波止づくりについて、清水栄さん、足利保さん(故)のお話をもとにご紹介します。清水さんや足利さんは10代後半から20代前半の頃に、町内各地の石波止づくりに携わりました。清水さんは日振島や竹ケ島(宇和島市)などで作業したこともあったそうです。
石波止づくりは一つあたり何十トンにもなる重くて大きな石を海底から引き揚げ、運んで、積んでいくという作業です。一つの波止を築くのに、水中で作業するアマシ、石を運ぶ船に乗る人、石を積んでいく人など総勢約40人程が作業しました。
また、作業期間中はハンバ(飯場)と呼ばれる宿や作業場の近くの倉庫を借りてそこに滞在しました。現地の方に食事の世話などをしてもらうこともあったそうです。
石を引き揚げるためのワイヤー掛けなどの作業を海底で行うアマシ(※1)は寒い時期もふんどし一つで潜るため、体力の消耗が激しく10人程がかわるがわる潜ります。海から出るとすぐにキジュウキと呼ばれる木製蒸気船の風呂で冷えた体を温めました。なお、この辺りの石波止に関わったアマシには山口県から来た人が多かったそうです。
石を積む作業については次回ご紹介します。

取材協力:
・足利保さん
・清水栄さん

※1 潜水で工事する人のこともアマシと呼んでいたそうです。

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