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自治体の皆さまへ

【特集】地域で広がる介護予防の「輪」(1)

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愛媛県西条市

「いつまでも元気でいたい!」。それでもいつかは誰にでも来る心と体の衰え。自分だけではどうにもできない……、そんなとき、あなたは誰に助けを求めますか。今月は住み慣れた地域でいつまでも自分らしく生きるヒントを探り、あなたの一歩を踏み出すきっかけになればと思います。

■要介護(支援)者が20年間で約2.6倍増加!
要介護認定の結果には「自立、要支援、要介護」があります。「要支援」は日常生活は自分で行うことができるが、多少の支援が必要な状態、「要介護」は日常生活全般において自分一人で行うことが難しく、誰かの介護が必要な状態を示します。

◇国内の要介護(支援)者の推移
※厚生労働省老健局「介護保険事業状況報告」より

■地域包括支援センターが介護相談に全力サポート!
住み慣れた地域で、その人らしい生活を続けられるよう、西条市は市内5カ所にセンターを設置。介護・福祉・保健・医療など、さまざまな面で保健師や主任ケアマネジャー、社会福祉士などに気軽に相談ができ、介護予防支援やサービスの提供などを行います。(詳細は本紙5ページ)

◇西条市の相談種別(令和5年度)

相談件数は3,779件。5年前と比較すると約4倍に!

■助け合いの介護
久保中 哲次(てつじ)さん
地域包括支援センター西条南部
センター長・生活支援コーディネーター

少子高齢化が進むにつれ、ヘルパーなど支える人も少なくなっています。介護予防が重視されている中、西条市では公民館の持つ、つながりや知見を活用し、より強く連携した「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。

◇「幸せ」な人生を送るために全力でサポート
少しずつ包括支援センターの認知度が上がったことで、家族や民生委員など、さまざまな方から気軽に相談をいただくことが多くなりました。特に民生委員の皆さんとは気軽にお話しができるようになったと感じています。センターにはさまざまな相談に対応できるよう専門職がおり、ワンストップで迅速に対応できるのが強みです。中でも加茂地区は介護サービスが行き届かない山間の集落のため、まさに我々の力が試されるところ。飯岡地区では、昨年度モデル事業として、「包括支援センターと公民館の連携強化」を進めたところ、今でも連合自治会長、民生委員の皆さんの問題意識は高く、私たちとの連携を深めるための取り組みが続いています。この取り組みを他の地区に拡大していき、高齢者の方々が住み慣れた地域で生活を続けることができるよう、地域の皆さんで支え合う「地域包括ケアシステム」を実現したいと考えています。
最近では子どもが市外に出てしまい、親を介護する人が少なくなっています。高齢者の方の自立した生活を支え、ご家族の方の介護負担を軽減し、住み慣れた地域で長く生活することができるよう、これからも職員一丸となって、がんばりたいです。

《地域包括ケアシステム》

■自治会×公民館~地域ぐるみで見守る。支え合う。~

◇公民館も相談の窓口として寄り添う
飯岡公民館長 高橋 行夫さん

「人にやさしいまちづくり」を進める中で、昨年から包括支援センターと地域の関係者で高齢者の問題や課題を提供し合い、どのような対応ができるかを話し合う地域ケア会議を開催。特に認知症への対応が大きな課題であり、認知症サポーターの養成とともに高齢者カフェや百歳体操などの継続に努めています。昨年から公民館も高齢者の相談窓口の一つとして活動していますが、地域の方から「近所の人が認知症で心配」と相談をいただき、民生委員などと連携して関係施設でのサポートにつなげたケースもあります。地域の中でいろんな人が問題を情報共有し、関わりを持つことで、安心して過ごせるまちにつながると思います。

◇まずは「気付くこと」
飯岡連合自治会長 横山 完次さん

昨年、自治会長会で「地域づくりのための研修」を実施。例えば「見知らぬ高齢者が長時間ずっと同じ場所にいる」などの異変と遭遇したとき、どのように行動すればよいかというワークショップです。「警察に通報する」「民生委員に知らせる」などの建設的な意見が多数出されました。
しかし、不安は残ります。最近は自治会加入者が減少し、地域で顔を合わせる機会も減っています。このような状況の中「おかしいな」と感じて行動できる人がどれだけいるのか、災害時に一人暮らしの高齢者を地域で守れるのかという不安です。「人にやさしい感性」を磨いて異変に気付くことができる、これが現在の課題だと感じています。

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