■つながって、つなげる
教育の機会をつなぐ 三つ葉
さまざまな理由で学校に行けない子どもやその家族が、自分たちのペースで学び、社会と関わっていけるよう支援活動を行う「教育の機会をつなぐ 三つ葉」。代表の三浦純子さんが活動を始めたのは、アメリカでの生活がきっかけでした。
夫の海外赴任を機に、2020年まで家族でアメリカに滞在していた三浦さん。滞在中は、現地の教員と日本人家庭のサポートをしていました。アメリカでは、学校に通わずに家庭で学習するホームスクールの制度が充実していて「身近にホームスクールの子どもがたくさんいました。みんな自分に誇りを持っていて、生き生きと学ぶ姿が印象的でした」と当時を振り返ります。
帰国後、自分の周りの長期欠席の子どもや保護者から話を聞くうちに「人づてに相談者が増えてきた」と話す三浦さん。「個人ではなく、市民活動団体として、学校や社会の信頼を得た方が、できることが増える」と思い、三浦さんの思いに強く共感した平見舞子さんを副代表として、22年1月に三つ葉を立ち上げます。相談者が増え、「活動に協力したい」というスタッフも集まり、知多・西三河地域を中心に活動が広がっています。中でも、積極的なスタッフが多い大府市が、三つ葉の拠点となりました。
「大切なのは、学校や地域と連携しながら、子どもたちの学ぶ機会や社会とのつながりを維持することだと思います」と話す三浦さん。三つ葉では、誰でも参加できる座談会や季節ごとのさまざまなイベント、個別相談を行っています。「『学校に行けないけど、勉強がしたい』という子どももいます。学校から離れている間に、学ぶことに対する苦手意識を強めないために、今年度から、学校外でも学習を続ける機会として『えにすく』を始めました」と、新しい活動にも取り組みます。三つ葉の魅力は「人生経験や個性の豊かな幅広い年代のスタッフが集まっていて、スタッフ自身が、学ぶことを楽しんでいることです。三つ葉を訪れる人と一緒に視野を広げ合いたいです」と話します。
地域でのつながりや他の専門機関への橋渡しを充実させるために、23年3月には、文部科学省提案「家庭教育支援チーム」に登録。「人や場所を『つなぐ』ことによって、子どもたちが多様な学びの機会や支援の場とつながれるよう、協働の輪を広げていきたい」とのこと。今後の三つ葉の活動に、ますます期待が膨らみます。
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