加齢とともに筋力・活力が低下して、要介護のリスクが高くなった状態である「フレイル」という言葉をご存じですか。「ペットボトルのふたが開けにくくなった」「出掛けることが面倒になった」「かめない食べ物が増えてきた」と感じる機会が増えている方は、フレイルかもしれません。
人生100年時代と言われる現在。健康寿命を伸ばし、元気で生きがいのある人生を送るためには、フレイルを予防することが大切です。
今回の特集では、フレイルを予防するために市が行っている取り組みを紹介します。
■あなたは大丈夫!? フレイルセルフチェック
次の11の項目に答えて、フレイルの兆候があるかどうかを確認してみましょう。
回答欄Bに5つ以上当てはまる人は、フレイルの可能性があります。
回答欄Bに該当すると要注意!
※「はい」と「いいえ」が逆になっているので注意。
出典:東京大学高齢社会総合研究機構
■フレイルってなぁに?
フレイルとは、加齢により心身の機能が衰え、「健康な状態」と「介護が必要な状態」のちょうど中間の段階で、虚弱を意味します。フレイルの状態が続くと、寝たきりなどの要介護状態になる危険性が高まります。しかし、フレイルは早めに生活習慣を見直すことで、元の健康な状態に戻ることができると言われています。
■どうしてフレイルになるの?
フレイルは、「社会的要素」「心理的・認知的要素」「身体的要素」の3つの要素が相互に影響して起こります。どれか一つだけを改善するのではなく、総合的に生活習慣に取り入れていくことが大切です。
○身体的要素
・低栄養
・筋力低下 など
○心理的認知的要素
・鬱(うつ)
・認知機能低下
・意欲の低下 など
○社会的要素
・閉じこもり
・自分以外の人との交流がない
・独居
・経済困窮 など
■大府市の現状
市は、国・県と比べて平均余命は長いですが、健康で過ごせる平均自立期間はほとんど変わりません。つまり、不健康な期間(介護が必要になる期間)が、長くなっています。
出典:KDB「地域の全体像の把握」平均余命・平均自立期間(2022年度累計)
■今からできる!フレイル予防のポイント
健康寿命を伸ばし、元気に暮らしていくために、できることから取り組んでみましょう。
◆POINT 栄養
たんぱく質が不足すると筋肉量が減少し、フレイルに陥りやすくなります。
筋肉を維持していくため、毎食たんぱく質をしっかり取りましょう。
○たんぱく質
・肉類
・魚介類
・卵
・大豆製品
・牛乳・乳製品
1食当たりの量は、片手に乗るぐらいが目安(牛乳はコップ1杯)
○POINT 口腔(こうくう)
口の中の虚弱状態は、フレイルと大きな関係性があります。口の健康状態を保つことが大切です。
かかりつけ歯科医を持ち、定期的に歯科検診を受けましょう。
○かめる状態・食べる力を維持する
・抜けたままの歯・虫歯・歯周病は、治療する。
・口の周り・舌・喉の力を保つための健口(けんこう)体操を行う。
○歯・口をきれいにする
・歯磨きに加え、歯間清掃用具を使って手入れする。
・歯科診療所などで、歯のクリーニングを受ける。
口の体操をチェック
→日本歯科医師会WEB
◆POINT 運動
フレイルの最も大きな原因の一つが、筋肉の衰えです。自分の体調に合わせた運動習慣を身に付けましょう。
・ウォーキングなどを1日40分以上、週2回は体を動かしましょう。
・筋肉量・筋力の維持のため、筋トレを行いましょう。
・家事をする時に大きく動くなど、日常生活で小まめに体を動かしましょう。
○やってみよう 簡単筋トレ(スクワット)
5~10回を目安に行いましょう
(1)肩幅より少し広めに足を開く。
(2)膝がつま先よりも前に出ないよう曲げて、そのまま腰掛けるよう、お尻をゆっくり上下に動かす。
※転倒の不安がある場合は、いすや机につかまって行いましょう。
◆POINT 認知機能
認知機能の低下は、フレイルを招きます。生活リズムを整え、脳トレなどを行いましょう。
○やってみよう 脳トレ
・100から7ずつ引き算を言う。
・1日前の日記を書く。
◆POINT 社会参加
孤立・孤独は閉じこもりを招いて、フレイルを進行させます。
趣味・ボランティア活動・仕事などへ、積極的に参加しましょう。
次の頁からは、市が行うフレイル予防の取り組みを紹介します。
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