「認知症不安ゼロのまち」の実現を目指す大府市。
認知症への正しい理解を深め、認知症の方やその家族を温かく見守る地域づくりを進めています。
このたび、市では、この地域づくりの一助となる「認知症ヘルプマーク」を、全国で初めて制作しました。
このマークを認知症の方が身に付けることで、周囲の人々が気軽に手を差し伸べられる支援の輪が広がることを期待しています。
今号の特集では、市が取り組む認知症施策を紹介するとともに、当事者の家族や支援者の皆さんがこのマークに寄せる思いを聞きました。
■高齢者の5人に1人が認知症になる時代が到来
令和7年、日本では認知症の方が700万人を超え、65歳以上の方の約5人に1人が認知症になると推計されています。
市でも、令和6年8月現在で、3千人を越える方が認知症と推定され、今後も増加していく見込みです。
出典「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(H26)
◇DATA 市内の現状(R6.8.1時点)
人口:9万2991人
高齢者人数:2万152人
高齢化率:21.7%(全国平均29.1%)
認知症推定人数:3022人
■9月21日は「認知症の日」
実践型ワークショップイベント「認知症世界の歩き方」を開催
認知症の方が生きる世界や見ている景色を体験するとともに、対話を通じて生活環境を改善するためのスキルを学びます。
日時:9/21(土)13:00~17:00
場所:アローブ
定員:50人(先着順)
料金:無料
申込:8/26(月)9:00から市ウェブサイトまたは申込先窓口へ。
◇PICK UP
認知症への理解を深める内容が盛りだくさん
・13:00- 認知症ヘルプマークお披露目
・13:30- NPO法人issue+designの稲垣美帆さんによるワークショップ
・15:15- 認知症サポーター養成講座
〔同時開催〕認知症カフェand出張 ものわすれなんでも相談室
問合せ・申込先:
健康未来政策課【電話】85-3232
高齢障がい支援課【電話】45-6289
■「認知症不安ゼロのまち」の実現を目指した認知症施策を紹介
◇TOPIC(1) 全国初 大府市認知症に対する不安のないまちづくり推進条例を制定
平成29年12月に、全国初となる認知症施策の基本条例を制定し、平成30年4月1日に施行しました。
市の責務と施策を定め、市民・地域組織・事業者・関係機関・市の役割についても記載し、各々が連携しながら認知症に対する不安のないまちの実現を目指しています。
さらに、市の条例をきっかけに、県が条例を、国が法律を制定するなど、同様の取り組みが全国に広がりました。
◇TOPIC(2) 認知症サポーター養成2万人を達成
平成19年度から取り組んできた認知症サポーターの養成は、令和4年7月に2万人を達成しました。このサポーターは、認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域・職域で当事者やその家族を支援する人です。市では、小・中学校をはじめ、市内各地で積極的に認知症サポーター養成講座を進めた結果、この取り組みが評価され、令和4年11月に「第11回健康寿命をのばそう!アワード」で、厚生労働大臣優秀賞を受賞しました。
◇TOPIC(3) 認知症高齢者などの行方不明者捜索模擬訓練を実施
行方不明者が発生した時に、自治区などで円滑に情報伝達・捜索ができるよう、自治区の対応マニュアルなどの作成支援・情報伝達の訓練などを実施しています。
さらに、市内53事業所に協力を呼び掛け、「地域見守り活動に関する包括協定」を締結し、日常業務で何らかの異変に気付いた場合に市に通報するなど、見守り体制の強化を図っています。
◇NEW(4) 10月1日(火)開始 大府もの忘れ検診
65歳以上の方または65歳未満で認知症と診断された方を対象に、認知症の認知機能検査に係る検査費用の自己負担分を助成する「大府もの忘れ検診」を10月1日(火)から新たに開始します。
市民の認知症の早期発見・早期対応を促し、予防に関する取り組みへの参加勧奨や個人賠償責任保険への加入、ヘルプマークの配布など、市が行うさまざまな認知症施策につなげ、認知症に対する不安を解消するとともに、長期的には、市の医療給付費・介護給付費の抑制を図ります。
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