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自治体の皆さまへ

市民病院発 ほのか診察室 194話

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愛知県新城市

■骨粗しょう症の検査と骨密度検査
監修 市民病院 放射線課

◆骨粗(こつそ)しょう症とは
骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。病気が進行すると骨の内部が空洞のような状態となり、ちょっとした転倒や衝撃でも骨折しやすくなります。

◆骨の強度
骨の強度は骨密度と骨質の2つの要素で決まります。7割が骨密度、3割が骨質です。現在、骨質を正確に測る方法は確立していませんが、骨密度は正確に測ることができます。

◆骨密度とは
骨密度とは、骨に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルの骨塩量(g)を測り、それを骨の面積(平方センチメートル)で割った値です。
一般的に骨密度が高いほど骨が強く、低いほど骨が弱いとされます。骨密度検査は骨の強さを知る有用な検査方法の一つです。

◆骨密度の測定方法
骨密度を測定する主な方法は3つあります。

○定量的超音波骨量測定法(QUS法)
超音波をかかとや脛(すね)の骨に当て骨の強さを測ります。骨に伝わる超音波の速度や伝播中の超音波の減衰の様子から骨の評価を行います。
この方法は放射線被ばくの心配がなく、妊婦や子どもの検査に安全に使うことができます。ただし、測定精度はあまり高くありません。

○MD法(Microdensitometry法)
X線を使って両手とアルミ板を同時に撮影します。X線写真にて骨の濃度とアルミ板の濃度を比較することで骨密度を測定します。
測定するのは、人指し指につながる骨(第二中手骨)を計測します。測定により骨密度が低下している場合、骨折する確率が増えるとされます。

○二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法・デクサ法)
2種類のエネルギーを持つX線を人体に照射し、透過前後のX線の減衰率から骨密度を求めます。
専用の測定装置で、腰の骨(腰椎)、や足の付け根の骨(大腿骨近位部)または腕の骨を測定します。
「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年」によると、骨密度検査はDXA法で腰椎、大腿骨近位部の両者を測定することが推奨されています。現在最も精度が高い検査方法です。X線を使用するため被ばくしますが、被ばく線量は胸部レントゲンと同等もしくは、それ以下です。

3つの方法の中で、定量的超音波骨量測定法は、広くスクリーニング的に使用するのに有用です。MD法は骨粗しょう症診断に用いられます。二重エネルギーX線吸収測定法は、骨粗しょう症の診断および薬物治療の効果の判定に使用されます。

◆測定結果について
測定結果は、若い人の骨密度平均値を100%とした場合の、自分の骨密度の割合とし表示されます。

◆自分の骨密度を知る
自治体の検診、人間ドックなどを利用し自分の骨密度を測定することで、自覚症状の乏しい骨の状態を知ることができます。
骨密度が低下しているものの骨折のない状態で骨粗しょう症を発見できれば早期発見であり、早期治療や骨折の予防にもつながります。

問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
ID:751376216(ほのか診察室)

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