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春日井のおもしろ地名

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愛知県春日井市

春日井郷土史研究会 近藤

◆春日井
春日井はいうまでもなく、市制施行に際し、いわれがある名から定められたものです。春日井という地名の語源は「春部(かすがべ)」であったとされており、実際に、8世紀前半には、高蔵寺と神屋の古窯から「春部」と刻まれた陶片が出土しています。しかしながら、春部を「かすがべ」と読むことには無理があるため、元は「春日部」であったと思われます。
「かすがべ」の本来の表記と思われる「春日部」が初めて確認されたのは、東大寺文書(950年)に記載の「春日部郡」で、現在の地名である「春日井」が初めて確認されたのは、真福寺文書(1322年)に記載の「春日井郡」ですので、この間に「部↓井」になったことになります。地名は口伝なので、「かすがべ」が「かすが」と短縮された後、締めのよい「い」が付いたのではないかと思われます。
そもそも「春日」という漢字は、普通は「かすが」と読むことはできません。では、なぜそう読むようになったのでしょうか。日本書紀の葬送歌に「播屢比、箇須我鳴擬」(読み下しでは「はるひ(春日)、かすがを過ぎ」)とあります。いつしか「春日」が地名「かすが」の枕詞となり、今日でも「春日(かすが)」と読むようになったと考えられます。

「春日井のおもしろ地名」は、今回で最終回を迎えます。最後は、春日井という馴染みの深い地名を振り返ってみました。

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