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自治体の皆さまへ

〔特集〕手話と気持ちでつながる、心の輪!(2)

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愛知県田原市

■インタビュー INTERVIEW vol.01
聴覚障害者 熊倉昴裕さん(会社員)
※インタビューは、手話通訳の方を交え、手話を用いて行いました。

栃木県出身。就職して、田原市へ。生まれつき耳が聞こえない「ろう者」で、小学校までは普通学級へ通っていたが、中学、高校は地元のろう学校へ通い、手話を学んだ。趣味はサーフィンやキャンプ。友人たちと海が近い田原市での生活を楽しんでいる。

○普段の生活で困ることはありますか?
コンビニのレジで「箸やスプーンが要りますか?」と聞かれますよね。そのやりとりが上手く伝わらず、困ることがあります。店によっては、イラストを指差して伝えられるようになっているところもあって、助かります。レストランやカフェでも、支払い方法などを指差しできるように、用意してくれているお店もあります。そういうお店は、また足を運びたくなります。

○職場でのコミュニケーション方法は?
「UDトーク」というアプリを使って、コミュニケーションをとっています。同じ部署の人は、全員スマートフォンにこのアプリを入れてくれています。
上司の指示は、このアプリで理解します。私は口話(音声で話すこと)が得意ではないので、伝えたいことを音声で発してくれる機能にも助けられています。

※UDトーク
相手が話す音声をマイクで聞き取り、文字として表してくれるため、指示が聞き取れる。熊倉さん側から伝えたい内容も、文字に打って相手に示すことができる。

○予期せず困った経験はありますか?
やはり災害の時は、不安が大きくなります。東日本大震災の時は小学生だったので、先生の指示で避難しましたが、一人だったらどうなっていたか。
今でも電車が急に止まった時など、(放送が聞こえなくて)状況がわからない時は、スマートフォンのメモに書いて、周りの人に尋ねたりしています。

○これからチャレンジしてみたいこと
職場でも手話を覚えたいと言ってくれる人がいるので、上手く教える方法を工夫して、たくさんの人に手話を使えるようになってもらいたいです。

○さりげなく助けてもらって嬉しかったこと
レストランの順番待ちで、呼ばれてもわからなかった時、隣の人がジェスチャーで教えてくれました。手話でなくて、ジェスチャーや筆談で教えてくれるだけで、とても助かります!

○これから田原市にどんなまちになってほしいですか?
ありきたりですが、障害の「ある、なし」に関わらず、みんなが安心して生活できるまちになって欲しいと思っています。

※コミュニケーション支援アプリの例
・SpeechCanvas スピーチキャンバス
・こえとら

■インタビュー INTERVIEW vol.02
手話サークル でんでん虫
会長 大林 雅美さん
会員 金澤 みゆきさん

でんでん虫は、田原市で手話入門講座が開始されたことをきっかけに、昭和60(1985年)年に設立。ろう者への理解を深めること、手話をたくさんの人に広めることを目的に、学習会や講演会を続けている団体です。

○手話を学び始めたきっかけは?
大林さん:ろう学校の教員だったので、当時から、生徒の保護者とオリジナルの手話を作ったりしていました。以来、少しずつ手話を学び続けています。
金澤さん:家族が仕事の都合で手話を習っていたことから、私も興味を持って習いだしました。

○手話を使った活動をしていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?
金澤さん:初めて自分の手話をわかってもらえた時は、「伝わった!」と嬉しかったことを覚えています。
大林さん:でんでん虫は、視覚障害者団体の「さくらんぼ」を見習って、市内の学校などでも手話を普及する講座を行っています。そのおかげか、最近若い方もたくさん顔を出してくれるようになりました。
皆さんが活発に手話で話す様子を見ると嬉しい気持ちになります。

○田原市がどんな地域になるとよいですか?
二人:田原市でも手話言語条例(※)の制定を目指してもらえたら嬉しいです。また、4月から事業者の合理的配慮が義務化されます(詳しくは本紙P8)。市内では色んなイベントが開催されていますが、手話がたくさん取り入れられて、障害がある人でも楽しめる機会が多くなればいいと思います!

※手話は言語であることの認識の下、手話言語への理解促進および普及などの施策を推進することによって、誰もが安心して暮らせる地域共生社会の実現を目指すための条例。

■手話・要約筆記サークル紹介
▼手話サークル でんでん虫
活動日:毎週金曜19:00~21:00
手話を学んだり、学校やイベントで手話を広める活動をしています。

▼手話サークル とまと
活動日:毎週火曜10:00~11:30
手話を使って、聴覚障害者との交流を中心に活動しています。

▼みみ友たはら(要約筆記)
例会:第2・4土曜13:30~15:30
文字や機器による聞こえのサポートで難聴者・中途失聴者に寄り添う活動をしています。

それぞれ、活動場所は、田原福祉センターボランティアルームです。
参加希望など詳しくはお問い合わせください。

問い合わせ:田原市社会福祉協議会
【電話】23-0610

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