災害の発生が予想されるときに、どのタイミングで避難するのかを判断することは難しいです。西日本を中心に記録的な大雨となった平成30年7月豪雨では、自治体から避難指示が発令されていたものの、避難しなかったため、多くの方が亡くなった地域もあります。
今回は災害時の避難について、考えていきたいと思います。
■はじめに、災害時の行動を想像してみてください
大地震発生直後、あなたは家族と自宅にいました。何をしますか?いくつか思い浮かべてみてください。
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家族の安否や自宅の被害状況の確認、避難の準備など、自分が何をするべきかを考えた方が多いかと思います。
このとき、自分がケガをしたり命を落としたりすることを想像した人は少ないのではないでしょうか。
■心の安定を保つメカニズム「正常性バイアス」
正常性バイアスとは、予期せぬ事態が起こっても「これくらい大丈夫だろう」「自分は大丈夫」と異常を正常の範囲内のこととして捉えることで、心への負担を軽減するという人間心理のことです。
一方で、災害時には事態を過小評価してしまい、初期対応が遅れてしまうことも指摘されています。
南海トラフ地震臨時情報の呼びかけも終わったし、これで地震は来ないだろう…
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正常性バイアス自体は、悪いことではありません。大切なのは、自分の認識は無意識のうちにゆがむことがあり、災害時にはそれが命取りになることをしっかりと理解し、周りの人にも理解をしてもらうことです。
自分自身にバイアスがかかっているのでは?とチェックする習慣を身に付けるとよいでしょう。
■備蓄は「できるだけ7日分」
能登半島地震では、水や食糧が届かない「孤立地区」が発生しました。大きな地震が起こると、救援物資はいつ届くか分かりません。分かっているけど準備ができていない、備蓄の必要数について、お知らせします。
▼必要な備蓄の計算
最低3日分、できるだけ7日分が必要です。
食糧 家族の人数×3食×7日分
水 家族の人数×3ℓ×7日分
携帯トイレ 家族の人数×5回×7日分(トイレットペーパーも忘れずに)
■あなたなら、いつ安全な場所へ避難しますか?
過去に実際に起こった災害において、避難するタイミングを逃してしまった方の事例です。どのタイミングで避難するべきだったでしょうか。
■逃げ遅れた方の意見「大丈夫だと思い、避難しなかった」
・ハザードマップや避難所の場所を知っていたけど…
・自宅が浸水区域にあることを知っていたけど…
・自分が住んでいる地域は今まで大きな災害がないから…
▼避難のタイミング
自宅前の道が浸かる前、自治体が最初の避難指示を発令したときに避難するべき、と第三者の立場だと冷静な判断ができると思います。
実際にあなた自身に同じような災害が起こった場合、同じように判断ができるように、日頃から心掛けましょう。いざという時にはすぐに安全な場所に避難し、自分の命を守る行動をしてください。
▼田原市でもこんなことがありました
昨年12月、田原市に津波注意報が発表されました。海岸には釣りをする人などがいたため、防災行政無線や車両から避難の呼びかけをしましたが、思うように避難をしてもらうことができませんでした。幸い大きな津波は来ませんでしたが、津波が来ていたらと思うと心配になります。
■気象台や自治体からの情報は皆さんの安全を考えて出されます
「大雨警報が出ているのに、晴れている」「この前も避難指示が出たけど、何も被害はなかった」そんな声を聞くことがあります。気象警報や避難指示は、被害が起こる、避難が必要となる「可能性」がある場合に出されます。
早めに警報が出たり、避難所を開設したりするのは、皆さんに慌てず避難をしてもらうためです。「大したことなかった」で、皆さんが安心・安全に過ごすことができるといいと考えています。
みんなで「逃げ遅れゼロ!」を目指しましょう!
問い合わせ:防災対策課
【電話】23-3548
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