文字サイズ
自治体の皆さまへ

未来へと守り伝える文化財

1/43

愛知県碧南市

皆さんは、碧南市にたくさんの文化財があることを知っていますか。現在、市の指定文化財は53件あります。そして今回、次の市指定有形文化財が、より重要なものとして評価されたため、国の重要文化財に指定するよう、3月15日に国の文化審議会から文部科学大臣に答申されました。これにより市内にある国指定重要文化財は4件になります(官報告示により指定されます)。碧南市の文化財やどのように文化財を守っているかを紹介します。

■今回指定される国の重要文化財
絹本著色釈迦三尊像(けんぽんちゃくしょくしゃかさんぞんぞう)
所有者:曹洞宗林泉寺(本郷町)
藤井達吉現代美術館寄託
画面の中央に釈迦如来、向かって右に白象に乗る普賢(ふげん)、左に獅子に乗る文殊(もんじゅ)の両菩薩を描いた作例で、精緻な截金(きりかね)文様を多用し、繊細優美な画面に仕上げた優品である。平安時代末の美麗な趣を残す一方、鎌倉時代の傾向も看取される本作は、13世紀前半の作と思われ、1枚の画面に描かれている釈迦三尊像としては、我が国において古例に位置する重要な作例である。欠失や補加筆が少なく、当初の姿をよく留める点でも価値が高い(鎌倉時代・13世紀)。(表紙共画像提供・京都国立博物館)

■林泉寺住職 丹羽康道(にわこうどう)さん
いつから林泉寺にあるかは分かりませんが、先代から大事なものとして受け継ぎました。代が替わっていくと、散逸するものがある中で、仏画だったことが長年にわたり受け継いでくることができた理由だと思います。絹の布地に描かれているので、おそらく貴重なものだとは思っていましたが、描かれた時代や価値はよく分かっていませんでした。
代々、虫干しなどは行ってきましたが、近年は夏場の保管状況に不安を感じていたため、藤井達吉現代美術館に保管を依頼しました。おかげで今後代が替わったとしても、しっかり引き継いでいけると安心しています。
今回、国の重要文化財の指定を受けることで注目していただき、多くの皆さんに見ていただけるようになるとうれしいです。

■既に指定されている国の重要文化財
1 海徳寺 木造阿弥陀如来坐像(もくぞうあみだにょらいざぞう)
「大浜大仏」と呼ばれ親しまれている海徳寺の本尊。像内に保延2年(1136)の銘があり、もとは伊勢にあった菩提山神宮寺(じんぐうじ)の本尊である。明治初年の廃仏毀釈の折に海を渡り、同寺にもたらされた。数少ない平安時代後期の在銘丈六像の一つとしてだけでなく、菩提山神宮寺旧本尊として意義は大きい。

2 個人蔵短刀〈朱銘志津(しゅめいしづ)/光徳(こうとく)〉
南北朝時代の作で、志津一派の最高の技を示す。桃山期の鑑定家本阿弥光徳が「志津」と極めて名物「稲葉志津」といわれる。「稲葉」はもとの所有者稲葉蔵人の姓から。のち徳川家康を経て福岡藩主黒田家に伝来した。(画像提供:愛知県)

3 個人蔵刀〈無銘来国光(むめいらいくにみつ)〉
無銘ながら、作者は鎌倉時代末期の山城国・来派を代表する名工である来国光とされる。徳川公爵家に伝来した一口。(画像提供:愛知県)

■現在県の指定文化財は6件、市の指定文化財は53件に
以下は、市指定文化財の一部です。他の指定・登録文化財はホームページで確認できます。
4 應仁寺蔵 墨書六字名号(ぼくしょろくじみょうごう)
草書体の「南無阿弥陀仏」六字の名号。裏書から、応仁2年(1468)に蓮如から西畠道場の恵薫に授与されたものと知られる。
(藤井達吉現代美術館寄託)

5 霞浦神社のケヤキ
本殿西側から境内への通路際に立地するケヤキの巨樹。霞浦神社は平七の神社で、そのケヤキは神域の神々しさを一段とひきたてている。

6 鶴ヶ崎区 山車(だし)
幕末の元治元年(1864)に亀崎村(半田市)東組から三州鶴ヶ崎祭礼講が譲り受けた1輌。数年後「玉車」と改名した。文化初年頃の建造といわれる。今年は譲渡から160年を迎える。

7 妙福寺蔵 木造地蔵菩薩半跏像(もくぞうじぞうぼさつはんかぞう)
鎌倉様式を範とした17世紀後半頃の作。左手に宝珠、右手に錫杖(しゃくじょう)を執る、延命地蔵形の像。

■文化財を未来へ守り伝えるために
市では、碧南の歴史、文化などの正しい理解のため欠くことのできない文化財について、その由来や重要度などを日々調査しています。
そのなかで、所有者から文化財の指定を申請されましたら、教育委員会がこの件について文化財保護審議会に諮問し、同審議会の答申を受けて教育委員会で指定を判断します。同審議会では、他市の事例や専門家の意見を参考に、指定にふさわしいかどうか検討しています。
文化財の保存と公開に努める所有者に対し、市では、市指定文化財などの管理・修理・保存に要する経費の一部を補助したり、所有者で保存することが難しいと認められる一部の市指定文化財について藤井達吉現代美術館で寄託を受けることなどによって、文化財を未来へ守り伝えるようサポートしています。

問合せ:文化財課文化財係
【電話】48-6602

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU