■間仕切りの用具…衝立(ついたて)
日本人の生活に古くから使われてきた衝立(衝立障子)は、奈良時代に存在していたことがわかっています。当時の日本の建物には、壁や間仕切りがなく、衝立を置くことで部屋を仕切り、目隠しをしたりする家具として活躍していました。同じような目的で使用されていたものに屏風(びょうぶ)や簾(すだれ)などがあります。
室町時代になると、日本の建物は間仕切りのある小部屋へと変化して、衝立は部屋で使われることが少なくなりました。
江戸時代になると庶民の間で衝立が広まり、また玄関口、台所、庄屋帳場囲などでの使用も多くなりました。
衝立の厚みはあまりなく、これを立たせるために脚や台を取り付けて安定させています。また、衝立の面はさまざまなデザインがあり、木製の板、藤で編んだもの、襖(ふすま)のように紙や布を張って絵を描いたものや、彫刻がなされたものなどです。
屏風と衝立は、同じような目的で使用されますが、屏風は貴族文化として浸透し、衝立は庶民文化として広まりました。
所蔵:美浜町教育委員会 生涯学習課
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