■インタビュー
御油松並木愛護会 会長 天野保幸さん
◇価値あるマツを後世へつないでいく
この地域では、御油松並木愛護会が中心となり、景観を維持するため、毎月清掃活動や樹勢調査を行っています。調査では、1年かけて専門家とともに300本を超えるマツの幹の状態や葉の色の変化を観察します。幹の表皮がはがれていたり、葉が黄色に変色していたりするマツに対し、土を掘り起こして根の様子などを確認しています。大変な作業ですが、観光客の方から「大きなマツがたくさん残っていてすごいですね」と言ってもらえることもあり、やりがいにつながっています。
また、マツの本数を維持するため、御油小学校の児童とともに植樹作業をしています。購入した苗を植えていた時期もありましたが、現在はマツ並木にあるマツから採取した種を使って苗木を育てています。小さな種から大きくなっていくマツを見ると、わが子のように愛着が湧くものです。
私たちの使命は、古くから先人たちの努力によって受け継がれてきたマツを後世につないでいくことだと思っています。マツ並木は、江戸時代から多くの人々を癒やしてきました。皆さんも一度、御油が誇る天然記念物を見に来てください。
■インタビュー
湯地麻未さん(御油町)(平成23年度 御油小学校卒業)
◇受け継がれるマツへの思い
私が通っていた御油小学校では、6年生の時にマツの植樹を行う授業がありました。マツの樹齢やマツ並木の歴史などを調べて、校内新聞を作成することも授業の一環だったので、マツのことがいろいろ分かってくると、実際に植える日が楽しみになりました。
植えたのは、寒い冬の日。御油松並木愛護会の方に「この時期が一番根が付きやすいんだよ」と教えていただき、一緒に土を掘って植樹をしました。苗木が大きくなってほしいと願いながら、水をあげたことを今でも覚えています。また、卒業間近での授業だったので、皆とこのような活動ができて、とても良い思い出になりました。
大人になってから、植樹したマツを友人と見に行ったことがあります。小学生だった当時の私の背丈よりも低かったマツが大きく成長しているのを見て、とてもうれしくなりました。また、天然記念物として立派に育っていることを誇らしく感じました。
今でも、御油小学校の後輩たちが授業で植樹をしています。これからも、このすてきな景観がずっと見られることを願っています。
■御油の松並木資料館
御油のマツ並木と東海道五十三次35番目の宿場として栄えた御油宿に関する資料を展示しています。
江戸時代の御油宿の町並みの復元模型や歌川広重の浮世絵版画をはじめ、近世交通文書や旅装束などの資料約130点を見ることができます。
所在地:御油町美世賜183
開館時間:
・午前10時から午後0時30分まで
・午後1時30分から午後4時まで
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は開館)、年末年始
入館料:無料
問合せ:御油の松並木資料館
【電話】0533-88-5120
■御油松並木公園
マツ並木の保護、観光、地域交流の拠点となることを目的として整備された公園です。園内には滑り台のある複合遊具や芝生広場があり、子どもから大人まで楽しむことができます。
所在地:御油町並松20-1
問合せ:公園緑地課
【電話】0533-89-2176
■御油松並木天然記念物指定80年事業
◆もっとずっと松並木・・・そして未来へ。
◇前夜祭
日時:12月2日(土)16時00分から20時00分まで
内容:竹籠の径、尺八・二胡などによる音楽ライブ
◇本祭
日時:12月3日(日)9時30分から14時30分まで
内容:御油小学校の児童による作品展示、町内会活動パネル展示、松並木ウォークラリー、キッチンカーによるグルメコーナーなど
《共通事項》
会場:御油松並木公園、御油のマツ並木周辺
問合せ:もっとずっと松並木・・・そして未来へ実行委員会(御油生涯学習センター内)
【電話】0533-87-7214
御油連区長 峯野佳明さん:ぜひ、遊びに来てください!
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