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【特集】~自分自身と大切な人のために~若い世代にも知ってほしい がんのハナシ(2)

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愛知県豊川市

◆子宮頸がんを数字で見ると…
◇子宮頸がんが増える年代は20代
子宮頸がんと診断される人の数は20代前半から増え始めます。また、一生のうち、子宮頸がんになる人は76人に1人で、日本では毎年、約1.1万人が子宮頸がんになっています。

◇子宮頸がん罹患数(上皮内がんを含む)(2019年)
0~19歳:19人
20~29歳:2,843人
30~39歳:10,406人
40~49歳:10,568人
50~59歳:4,510人
60~69歳:2,928人
70~79歳:2,330人
80~89歳:1,099人
90~99歳:280人
100歳以上:7人
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス

◇HPVワクチン接種率は1.9パーセント
日本におけるHPVワクチンを接種した女性の割合は、世界的にみると特に低く、約1.9パーセント。接種率の高い国では、2028年までに、HPVによる子宮頸がん患者がほぼいなくなるといわれています。

◇世界各国のHPVワクチンを接種した女の子の割合(2019年)
カナダ:83パーセント
イギリス:82パーセント
オーストラリア:79パーセント
イタリア:52パーセント
アメリカ:49パーセント
ドイツ:43パーセント
フランス:3パーセント
日本:1.9パーセント
【出典】厚生労働省「定期の予防接種実施者数」

■〈インタビュー〉男女関係なく全ての人に知ってほしいヒトパピローマウイルス
日頃から多くの若い世代を診察している婦人科と小児科の医師2人に、予防接種やがん検診の必要性、ヒトパピローマウイルスについて話を聞きました。
・総合青山病院 婦人科 宮本由記医師
・総合青山病院 小児科 鈴木久美子医師

鈴木医師:がんの原因についてはまだ分かっていないことが多くありますが、ウイルスなどの感染が原因でかかるがんの場合、感染を防ぐことで身を守ることができるのを知らない方が多いように感じます。

宮本医師:そうですね。がんの種類によって対策は異なりますが、ワクチン接種で予防できるものがあるということを知ってほしいですね。

鈴木医師:がんに限らないことですが、ワクチンを接種すると、その病気に対する免疫が作られ、感染症の発症や重症化を予防できます。接種の時期は、病気にかかりやすい年齢や重症化しやすい年齢などに応じて決められているので、病気にかかりやすく重症化しやすい乳児は多くの種類の予防接種を打っているんです。

宮本医師:ウイルスの感染を防ぎ、がんを予防するための予防接種の一つに、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンがあります。HPVは男性も女性も持っている可能性のあるウイルスです。現在、豊川市では、一部の年齢の女子を対象に無料の予防接種が行われていますよね。この機会に、ワクチン接種を検討してみてはいかがでしょうか。

鈴木医師:予防接種は、病原性や活性をなくしたウイルスや細菌の一部、毒素をワクチンとして接種します。診察していると「本当に接種しても大丈夫か」、「痛いから嫌だ」、「副作用が心配」といった声をよく聞きます。健康な体にウイルスや毒素を入れると聞いて心配になったり、痛いのを嫌がったりする気持ちはよく分かります。接種するワクチンについて気になることがあれば、「診察以外のことを聞いてもいいのかな」などと遠慮せず、かかりつけ医にぜひ相談してください。予防接種は強制ではありませんので、メリットとデメリットをよく理解していただいた上で、接種する本人が保護者と相談して決めてください。

宮本医師:HPVワクチンを接種する場合も接種しない場合も、20歳を過ぎたら、2年に1回は、ぜひがん検診を受けていただきたいです。もしHPVに感染して細胞に異変があっても、早期発見・治療ができれば、子宮頸がんは治る可能性の高いがんです。
インターネットにはたくさんの情報があふれていますが、信頼できる情報源かどうかを見極めて判断することが大切です。また、かかりつけ医はもちろん、家族や学校の先生など、周りに相談できる人をつくっておきましょう。医学は日々、進歩しています。新しい情報を取り入れ、自分のために、大切な人のために、今できることを考えられるといいですね。

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