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自治体の皆さまへ

フレイル予防のための運動器科学講座が送る健康情報

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新潟県小千谷市

フレイルは社会全体の病です。老若男女全ての市民の健康と幸せ無くして防げません。このコーナーでは、健康に役立つ情報を幅広くお届けします。

■中越大震災20年 震災関連死と深部静脈血栓症

JA新潟厚生連小千谷総合病院
整形外科医師 古賀寛さん

平成7年の阪神大震災や平成16年の中越大震災を通して、地震による直接的な死は免れたのに、その後の生活で命を落としてしまう事例があることが広く知られるようになりました。そして、その原因の多くは深部静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群が関連しています。自然災害では直接的な生命の危険だけでなく、健康面でもさまざまなリスクが高まります。

◆深部静脈血栓症のリスク
災害時には、ケガや避難生活の影響で運動制限や血行障害が生じやすくなります。このような環境では静脈の血流が滞り、血栓という血の塊を作って血管を閉塞させてしまうことがあります。これが「深部静脈血栓症」です。血栓は時に静脈から離れて肺に運ばれ、「肺塞栓症」を発生する可能性があります。肺塞栓症は急激な息苦しさや胸痛を引き起こし、場合によっては命にかかわることもあります。また、地震によるストレスや混乱、不安感も体内の血行を悪化させ、リスクを増加させます。

◆災害時の深部静脈血栓症の予防策
〇適度な運動と休息
避難所や一時的な生活空間でも、定期的に体を動かし、血行を促進することが予防になります。長時間の座り込みや睡眠不足を避け、休息の際に足を高くするなどの対策を心がけましょう。

〇水分補給
適切な水分補給は血液の循環をサポートし、血栓形成のリスクを軽減します。しかし、断水やトイレになるべく行きたくない環境では、水分補給を控えがちになります。特に高齢者やリスクの高い合併症を持っている方は、意識的に水分補給を行いましょう。

〇情報の確認と精神的なケア
災害時には精神的な負担が増すことがあります。適切な情報を得ることで、不安を軽減させることも大切です。

〇治療中の方は治療の継続を
以前に血栓症を発症している方など、予防のために血を固まりにくくする薬を内服している方は、災害時には特にリスクが高まります。避難中でも薬を継続することが大切です。

問合せ:健康・子育て応援課 健康増進係
【電話】83-3640

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