新潟市では、交通事故の発生件数は減少していますが、歩行者が関わる交通事故は増加しています。事故を防ぐために、ドライバーと歩行者それぞれが気を付けるべきことを紹介します。
◆ドライバーは歩行者の安全を守りましょう
・横断歩道の手前から30メートル以内の場所では追い越し禁止
・横断歩道の標識や標示に注目する
・信号機のない横断歩道では、横断しようとする歩行者などがいたら、必ず一時停止する。
・歩行者などがいる可能性があるときは、手前で停止できるよう減速する
◆歩行者は道路横断時の安全確認をしましょう
・左右を確認する
・手を上げるなどの「渡るよサイン」をする
・横断歩道がある道路では、横断歩道を渡る
・夜間は夜光反射材を身に着ける
◆歩行者事故を防ぐために
警察官に聞きました
新潟県警察本部 交通部交通企画課 荒木 慎弥さん
▽歩行者が関わる事故が増加
新潟市内の交通事故発生件数は18年連続で減少しています。減少した要因としては、市民の皆さんの交通安全意識の向上はもちろん、車の安全性向上、信号機の設置やガードレールの整備などが考えられます。事故の総件数が減っている一方で、歩行者の関わる事故は、昨年増加しました。増加した要因としては、昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられて以降、人の流れが回復したことなどが考えられます(グラフ)。
交通事故は、夕暮れ時に多く発生しています。夕暮れ時は、ドライバーからは歩行者が、歩行者からはライトをつけていない車が、見えづらい状況になります。車のライトは早めに点灯し、お互いを見つけやすくしましょう。
また、事故の原因の多くは、ドライバーの安全不確認などです。ドライバーは、ハンドルを握ったら運転に集中し、進路前方・左右をよく確認して、歩行者や自転車の早期発見に努めましょう。
▽横断歩道での事故に気を付けよう
昨年のJAF(日本自動車連盟)の調査によると、信号機のない横断歩道で歩行者が横断しようとしているときに車が一時停止する割合が、新潟県は23・2%と全国最下位でした。これは全国平均の45・1%を大きく下回っています。横断歩道は歩行者優先で、一時停止はドライバーの義務です。思いやりを持った運転をしましょう。
歩行者は自分の身を守ることが大事です。横断歩道や押ボタン式信号機を利用してください。横断するときは、「渡るよサイン」で周囲に道路横断の意思を示し、横断前の左右確認はもちろん、横断中も車が近づいて来ないか確認しましょう。また、夜光反射材を着用し、ドライバーに自分の存在を知らせることも大切です。
▽高齢者が関わる事故も多発
夕暮れが早くなる時季は、高齢歩行者が被害に遭う事故が増加します。なるべく明るいうちに買い物などの外出を済ませましょう。夜間に外出をする場合は、夜光反射材の着用や懐中電灯を利用するなどの工夫をお願いします。
また、高齢ドライバーが加害者となる交通事故も多く発生しています。年齢とともに身体機能は変化してくるので、夕暮れ時や夜間、天候が悪いときの運転は控えるなどの心掛けが大切です。
▽交通事故を起こさないために
昨年、新潟市内では交通死亡事故で12人の尊い命が失われました。亡くなった方のうち、歩行者が7人と最も多く、このうち4人が道路横断中の事故で亡くなっています。
ドライバーの皆さんにお願いです。車を運転するのは人です。車ではなく人として、思いやりと譲り合いの気持ちを持って運転してください。
◆11/1から道路交通法改正 自転車の危険な運転に新しく罰則が整備されました
重大事故を防ぐために交通ルールを守りましょう。
○運転中の「ながらスマホ」
スマートフォンなどを手で持って、自転車に乗りながら通話する行為、画面を注視する行為 ※停止中の操作は対象外
≪罰則≫
・違反者…6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金
・交通の危険を生じさせた場合…1年以下の懲役または30万円以下の罰金
○酒気帯び運転およびほう助
自転車の酒気帯び運転、自転車の提供、運転手への酒類の提供や同乗
≪罰則≫
・違反者…3年以下の懲役または50万円以下の罰金
・自転車の提供者…3年以下の懲役または50万円以下の罰金
・酒類の提供者・同乗者…2年以下の懲役または30万円以下の罰金
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