姿や価値観などが一人一人違うように、性も「男性・女性」だけでなく人によってあり方が異なる、多様なものです。多様な性のあり方を知り、「男なのに・女なのに」という性別の無意識の思い込みを自覚して、性について考えてみませんか。
◆性を考える4つの要素
性のあり方は、これらの要素の組み合わせで多数存在しています。
▽Key Word『SOGI』
4つの要素のうち、「好きになる性」「心の性」の2つの要素の頭文字を取ってSOGI(ソジ)といいます。
これは全ての人が持つ「性のあり方」を示す概念です。
1.身体の性(Sex Characteristics)
体つきや性遺伝子などによる生物学的な特徴から判別される、出生届や戸籍に記載された性別
2.好きになる性(Sexual Orientation)
恋愛感情や性的な関心が向かう性別
※「性的指向」ともいう
3.心の性(Gender Identity)
自分が認識している性別
※「性自認」ともいう
4.表現する性(Gender Expression)
服装や髪形、しぐさ、言葉遣いなど、自分自身が表現する性別
◆さまざまな性のあり方
自分の性の認識や好きになる性は、人それぞれ違います。
▽「好きになる性」による分類
・ヘテロセクシュアル(Heterosexual)…心の性と好きになる性が異なる人
・L レズビアン(Lesbian)…心の性が女性で、恋愛対象も女性の人
・G ゲイ(Gay)…心の性が男性で、恋愛対象も男性の人
・B バイセクシュアル(Bisexual)…心の性に関わらず恋愛対象が男女どちらにも向いている人
▽「心の性」による分類
・シスジェンダー(Cisgender)…心の性と身体の性が同じ人
・T トランスジェンダー(Transgender)…心の性と身体の性が異なる人
▽Q クエスチョニング(Questioning)…心の性や好きになる性が分からない人、決まっていない人
▽+ プラス(+)…全ての性別が恋愛対象の人や、誰にも恋愛感情を抱かない人など、LGBTQ以外の性的マイノリティの人
●TOPIC 性のあり方はグラデーション
性のあり方はグラデーションのように境目がなく、個人で異なるといわれています。
また、心の性と好きになる性は自分の意思などで変えられるものではありません。
体は女性だけど心はどちらかというと男性かも。恋愛対象は女性かな。
男性ファッションを着るのが好きです
●TOPIC LGBTQ+(エル ジー ビー ティー キュー プラス)って何?
性的マイノリティを表す総称の一つ。
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングの英語の頭文字に加え、それ以外の多様な性のあり方を「+」に込めて組み合わされています。
●TOPIC 『いない』のではなく『見えない』
日本のLGBTQ+層の割合 9.7%(10人に1人)
※出典:(株)電通「電通ダイバーシティ・ラボ」実施「LGBTQ+調査2023」より
日本の性的マイノリティ層は、AB型や左利きの人の割合とほぼ同じです。自分の周りにいないと思っていても、実は知らないだけかもしれません。
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