中央区では人口減少が進む「しもまち地域」の活性化のため、この地域の認知拡大と市内外の人の流入・交流の促進を図る「日和山浜魅力創出事業~ハマベリング!!!~」を実施しています。この取り組みを不定期で連載しています。
日和山浜は、侵食の影響で砂が減少していたところに、侵食対策として整備を行い、現在の海岸が形成されています。これまでの経緯について、整備を担当していた国土交通省北陸地方整備局新潟港湾・空港整備事務所の宮坂さんに聞きました。
Q1.どうして砂浜が減少してきたの?
A1.日和山浜の砂浜は、信濃川から運ばれる土砂により作られてきました。しかし、河川や港湾の改修工事などにより、川から運ばれる土砂の量が減少したほか、地下水のくみ上げによる地盤沈下の影響で、海岸線の侵食がはじまったと考えられ、明治後期から昭和に至るまでに砂浜が最大350mも後退しました。(本誌写真参照)
Q2.砂浜をよみがえらせるために、どんな工事を行ってきたの?
A2.当時の侵食対策工事といえば、コンクリートの高い壁(直立堤)を立てて、砂の流出を防ぐ線的防護工法と呼ばれるものが主流でした。しかしそれでは美しい新潟の海の景観が損なわれてしまいます。海岸線を守るとともに、人々にとって快適で潤いのある海岸の利用が可能となるよう、離岸堤(潜堤)、突堤、護岸(養浜)を総合的に組み合わせた面的防護工法による整備を行いました。
事業開始当時、この工法は全国的にも実例が少なく、水理模型実験や現地観測を行いながら、試行錯誤を重ねて整備を行いました。この事業で得られた知見は、今日の海岸工学の基礎となっています。
Q3.日和山浜の特徴である突堤はなぜあの形なの?
A3.突堤は波の力で漂っている砂が沖へ逃げ出さないように留める重要な役割があります。各地にさまざまな形の突堤がありますが、その役割は一緒です。日和山浜の突堤の形(本誌写真参照)は、整備が終わった後、魚釣りや散策など、海を身近に楽しんでもらいたいと考え、今のデザインになりました。
整備は令和4年度に完了しましたので、今後は是非皆さんの憩いの場として日和山浜を活用してもらいたいと思います。ハマベリング!!!や海岸でのさまざまなイベントを通じて地域の活性化が図られることを期待しています。
今後の取り組みの進捗は、区ホームページ(本誌の二次元コード)から確認できます。
次回、学生が感じたまちの魅力を取り上げます。
問い合わせ:地域課
【電話】223-7041
<この記事についてアンケートにご協力ください。>