地域と学校パートナーシップ事業
寄居かぶは、およそ300年以上前の江戸時代から白山地域で育てられていた伝統野菜です。都市化が進んだ影響で、一時栽培が途絶えましたが、地域に伝わる農産物への理解を深め、将来に受け継いでいこうと、7年前から白山小学校で毎年栽培をしています。
児童に栽培方法などを教える栗林さんは、「もともと孫が白山小学校に通っていたのがきっかけで手伝うようになりました。もう孫は高校生になりましたが、今でも学校に関わることで、子どもたちから元気をもらっています」とにっこり話しました。
9月に種をまき、収穫の日を迎えた10月31日。今回は地域と学校パートナーシップ事業の一環で、新たに地域の人を招待し、4年生児童36人と一緒に収穫体験を行いました。
児童からは「大きな寄居かぶがたくさん取れてうれしい!」「大切に育てたかいがあった!」と喜びの声が聞かれました。
収穫した603個の寄居かぶは、参加者や児童に配布したほか、白山小学校区内の飲食店で提供されました。
◆伝統野菜の魅力と感謝の思いを地域に伝えたい
提供店の1つである美谷商店は、7年間学校と協力したお弁当を販売してきました。今年は11月1日限定での販売。毎年注文の問い合わせがあるほど、地域のお客さんが楽しみにしている取り組みです。同商店の美谷正江(みたにまさえ)さん(本誌写真参照)は「子どもたちの表情を見ると、仕込みから頑張ろうと思います。今年の寄居かぶは良く育ち、大ぶりのものが多い印象です。柔らかくて皮まで食べられて、甘みが強い特徴を生かし、ホタテやチーズと合わせたクリームシチュー風のお惣菜にして提供しています。伝統野菜のおいしさや、お店を盛り上げ支えてくれる地域への感謝の思いを、お弁当の提供を通して伝えていきたいです」と話しました。
●地域と学校パートナーシップ事業とは
市では、学校が地域とともに歩むことができるよう「地域と学校パートナーシップ事業」を行っています。全ての市立学校に地域教育コーディネーターを配置し、学校と社会教育施設や地域活動を結ぶネットワークを形成、そして、教育活動への地域人材の登用に取り組んでいます。
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